蒼の瞳、紅の瞳
■ 12.未来を想像して苦笑する

「咲夜姉さま。白哉兄様も。ここにおいででしたか。」
浮竹たちと話しているとルキアと恋次が現れた。
『ルキア、恋次。』
「朽木隊長、咲夜さん、ご結婚おめでとうございます。」
そういって、恋次は頭を下げる。


『あぁ、今日は来てくれてありがとう。』
「礼を言う。」
「白哉兄様、咲夜姉さま、ご結婚おめでとうございます。妹として大変嬉しゅうございます。・・・それにしても咲夜姉さま、本当にお綺麗です。」


『ありがとう。私の可愛い妹。これからもよろしくな。』
「はい!!」
そうして笑顔を見せたルキアの頭を咲夜は撫でた。
『あぁ、白哉。どうしよう。』
「なにがだ?」


『ルキアを嫁に出したくなくなった。私が嫁に欲しい。』
「やらぬ。」
『何でだよー。だってこんなに可愛いんだよ!?どこぞの男にやるのは勿体ないじゃないか。』
「えっと、咲夜姉さま?」


「私がその辺の男にルキアを渡すと思うのか?」
「兄様?」
突然始まった結婚話にルキアは戸惑っている。
『いいか、ルキア。私と白哉が認めた男しか、認めないからな!!』
「ね、姉さま・・・?」
咲夜はルキアの肩をがっしりと掴んでそう言った。


「当然だ。」
「に、兄様?」
「朽木、そういう相手が出来たなら俺にも会わせてくれよ?」
「浮竹隊長まで!?」
「・・・いやぁ、ルキアちゃんの相手は大変そうだねぇ。」
「そうっすね。」
そんな三人を見て、京楽と恋次は苦笑いを浮かべたのだった。


「それで、お前は死神を続けるのか?」
『続けるぞ?』
「よく白哉が許したな。」
「・・・こやつを邸に閉じ込めることなど不可能であろう。そもそも貴族の姫らしく邸にこもるような奴ではない。」
白哉が諦めたようにそう言った。


「あはは。確かにねぇ。咲ちゃんが大人しくしているなんて想像できないや。」
「漣らしいな。」
白哉の言葉に浮竹も京楽も笑う。
「ただし、条件があることを忘れるなよ。」
白哉は咲夜を横目で見ながら釘を刺すように言った。


『はいはい、わかっているよ。子が出来たら大人しくするさ。』
「その時になってだだをこねるなよ。」
『まったく、信用ないなぁ。』
咲夜はそう言って笑った。


「しかし、漣家の跡継ぎの方はどうされるのですか?」
『あぁ、それは問題ない。叔母上が当主を続けてくれるから、叔母上のご息女である、涼音殿が引き継ぐことになった。私は、私の子が当主になってもいいと思ったのだが・・・白哉がそれを許さなくてな。女の子が生まれたらすぐに漣家に行かせなければならなくなるからな。』
そう言った咲夜の視線から逃れるように白哉はあさっての方向を向いている。


「兄様・・・。」
「隊長・・・。」
そんな白哉にルキアと恋次は子供が生まれる前からこの調子なのだから、子供が生まれたらそれは過保護になるのだろうと苦笑するのだった。
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