蒼の瞳、紅の瞳
■ 2.内密の話

『あーもう!!』
三人が咲夜の様子を伺っていると、咲夜が突然立ち上がって叫んだ。
「漣?」
浮竹が声を掛けると咲夜は振り向いた。
『なんだ?』
「いや、あの、大丈夫か?」


『大丈夫だが?三人ともどうしたんだ?』
「いやぁ。いつもの咲ちゃんに戻ったねぇ。」
「そうだな。」
「そのようです。」
『?』
三人の様子に咲夜は首を傾げる。


『なんなんだ?まぁいいや。もうこんな時間か。昼食を摂ってくる。』
「あぁ。」
浮竹が返事をすると、咲夜はあっという間に居なくなってしまった。
「・・・解決したのかな?」
「さぁ?」


「・・・あ!」
ルキアが思い出したように言った。
「どうしたんだい?」
「いえ、その・・・兄様と咲夜姉さまのことなのですが。」
「何かあったのかい?」
「いや、何かあったというよりは、何かが起こりそうというか・・・。」
「「?」」


「・・・このことは内密にお願いします。決して口外なされませぬよう。朽木家のことにかかわります故。」
言いづらそうにしていたルキアは覚悟を決めたように言った。
「「あぁ。」」
「実は・・・兄様は咲夜姉さまに思いを寄せているようでして。」
「「ええ!!」」
ルキアの発言に二人の驚きの声が響く。


「それで、この間、兄様はいずれ私が咲夜姉さまの妹になるというようなことをおっしゃっていまして・・・。」
「「ということは・・・。」」
「その方面のことでお二人に何かあったのだとすれば、あの様子にも納得がいくかと。」
その言葉の意味を理解して、浮竹と京楽は何かを考えるように沈黙する。
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