蒼の瞳、紅の瞳
■ 26.九人目

さてと、残りは白哉だ。
ここからは打ち合わせ通りに。
残り時間は30分か。
十分だ。
咲夜は霊圧をあげて白哉に合図を出した。


暫くすると、白哉が現れる。
『ふふふ。逃げ切ったようだね。』
「そう簡単に捕まるものか。」
カメラの音声に入らないように小さな声で話す。


『さて、では打ち合わせ通りに、戦っていて偶然闘技場まで来てしまった、という設定でみんなの前で見せつけてやろう。』
「あぁ。あのような文を二度と届けようと思わぬほどに存分に戦ってやろう。」
『そうだな。結界は山じいに頼んでおいた。私たちが闘技場に入ったらすぐに張ってくれるだろう。私たちは霊圧を気にせずに戦えるわけだ。』


「まったく、このような面倒な手段を取らずとも、犯人を見つけ出すことは容易かろうに。」
『だって、そうしたら、君が朽木家の権力を存分に振るってしまうだろう?』
「当然だ。」
『私にはそれが解らない。大したことじゃないだろう?』
「そんなことはない。・・・少なくとも私にとっては。」
『どういうことだ?まぁ、いいや。行こうか。』
「あぁ。」


咲夜と白哉は適当に鬼道を放ちながら、闘技場の前までやってきた。
行くぞ。
白哉と目を合わせて同時に会場に突っ込む。
ドォーン!!
という音を派手に轟かせながら。
突然現れた二人に会場は騒然とした。


二人はしばらく動きを止めて様子を伺い合う。
咲夜は元柳斎が結界を張ったのを確認すると、白哉に攻撃を始めた。
『破道の三十三、蒼火墜!!』
ひらりと避けつつ白哉も応戦する。
「縛道の六十一、六杖光牢。」
『縛道の八十一、断空。破道の七十三、双漣蒼火墜!!』
「破道の七十三、双漣蒼火墜。」


鬼道がぶつかり合うことにより、爆炎が上がる。
しかし両者とも手を止めることなく、煙が晴れると白打での戦いが行われていた。
そしてもう一度距離をとる。
『破道の八十八、飛竜撃賊震天雷炮。』
咲夜の左手から強大な爆撃が放出される。


「縛道の八十一、断空。・・・!!」
断空で鬼道の直撃は防いだものの、爆風に白哉の動きが一瞬鈍る。
その隙を見逃すことなく、咲夜は白哉の後ろに回り込んで後ろから首元に手刀を突きつけた。
『白哉、君の負けだな。』
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