蒼の瞳、紅の瞳
■ 24.七人目と寒い十番隊

さてさて、次は誰にしようかな。
再び闘技場に戻って残りを確認する。
お?
剣八が捕まったようだ。
でも黒崎も捕まっているぞ?
相討ちってやつか?


ルキアも捕まっているじゃないか。
まぁ、十三番隊の隊士が揃って追いかけていたようだしなぁ。
体力が尽きたか。
一対多数じゃ分が悪い。
まぁいい。
それじゃああとは、京楽、白哉、冬獅郎の三人だけか。


『おや?この霊圧は京楽だな。なんかふらふらしているぞ?』
咲夜が京楽の霊圧があるほうに向かっていると、向こうからふらふらと京楽が歩いてきた。
「おやぁ?咲ちゃんじゃないか。」
『京楽。・・・お前、呑んでいるな?』


「えへへ。解っちゃう?いやぁ、みんなして追いかけてくるものだから、ちょっとそこに避難してたんだ。」
そう言って指を差した方には居酒屋があった。
『ほう。そうか。お前は追いかけっこの最中とはいえ、業務中に酒を呑んでいたわけだな?』


「やだなぁ、避難だってば。避難。」
『これは山じいに報告かなぁ。それに伊勢副隊長にも。』
咲夜はそういって黒い笑みを浮かべる。


「いや、咲ちゃん?ほら、僕はあの・・・。」
咲夜の黒い笑みに気圧されたのか、京楽がしどろもどろになる。
『サボって呑んでいたんだよな?』
「ちが・・・わないです。ごめんなさい!!だから山じいにも七緒ちゃんにも言わないで。」


『ふふふ。残念だったな。今この場所はカメラに映っている。カメラに近い場所に居るから私たちの会話もすべて闘技場で放映されているわけだが。』
「そ、そんなぁ。」
京楽の顔から血の気が引いていく。


『ま、頑張りたまえ。あぁ、これはもらっていこう。』
呆然としている京楽から腕輪をとると、咲夜は去って行った。
その後、山じいと伊勢副隊長の雷が落ちたのは言うまでもない。


残り半刻。
白哉と冬獅郎か。
うーん・・・次は冬獅郎だな。
そう考えた咲夜は冬獅郎の霊圧を探る。
『あれ?冬獅郎の奴もしかして十番隊舎にいる?』
とりあえず咲夜はそちらへ向かうことにした。


しかし、十番隊の方へ行くにつれて、気温が下がっているような気がする。
『始解はしていないようだけれど、なんでこんなに寒いの・・・?』
疑問に思いながら十番隊舎内に入ると、その原因と思われる人物が寒さに震えながら仕事をしていた。
『乱菊?どうしたんだい?』
咲夜の声に乱菊の顔に生気が戻る。


「咲夜。いいところに来てくれたわ。」
『やけに寒いな。』
「そうなのよ。隊長の機嫌を損ねちゃって・・・。」
乱菊はそう言って苦笑いをする。


よく見ると、彼女が今やっている書類は提出期限が今日となっている。
『ふふふ。サボりはほどほどにな。・・・冬獅郎は隊主室に居るのか?』
「えぇ。隊長を捕まえようと隊員たちと協力してあれこれやってみたんだけど、全敗だったわ。そうこうしているうちに、七緒に捕まっちゃったのよ。それで、ついでに隠してた書類も見つかっちゃって・・・。」


『そうか。じゃあ私が行こう。』
「気を付けてね。今すっごく機嫌悪いから。」
『ふふふ。それは楽しみだ。』
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