君は赦されたいのだろう
深海のなかできみは誰の名を呼ぶのかな
だから僕は堕ちずにはいられない
白魚のようなその手はナイフを握り締めているのだろう
涙から生まれた海にて死す
鱗の落ちた身でなにをするというのか
水面に揺れる光のもとで
揺蕩うままに胎内へ帰す
静謐な夜よ、僕は此処にいる
造られた世界は優しい
傷口に涙は滲みる
ゆるやかに溶けていくのはだれ
そこでは僕らひとつだったのにね
ディア、愛しむべき君
虹彩に潜む小さなお星さま
宵闇は瞳を撫でる
揺らぎ揺らぐ
夜明けは近い
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