チーター観察日記(月)



○月×日 月曜日

今日寄った島で可愛い日記帳を見つけた。もう航海日誌はつけてるし買うのやめようかとも思ったんだけど…。丁度一緒にいた名前を見て良い事思い付いたの。まあ飽きるまで続けてみようと思うわ。

じゃあ天気も良いし始めるわよ!





チーター観察日記




○月×日 月曜日 続き

今日着いたこの島は春島。温暖な気候で特産物はハーブと新鮮な野菜。サンジくんの喜びそうな島ね。

島に着いたのは午前中だったから、午後にはそれぞれの買い出しの品を船に積み込むのも含めて、皆も一旦船に戻った。

それからすぐ、名前はチーターの格好でお昼寝。今日はメインマストの下ね。あたしはロビンとラウンジに。

おやつの時間にはサンジくんが早速この島のハーブでハーブティーを淹れてくれたんだけど…名前の様子がなんかおかしい。

いつもなら誰かが呼びに行かないと起きないのに、今日はなんでか一人で起きて来たのよ。それもチーターの格好のままで。




「珍しいわね、呼びに行く前に来るなんて」
「………」
「名前?」


ラウンジに入るなり一生懸命に部屋の匂いを嗅ぐ名前。名前を呼んでも反応しないから顔を覗き込んでみたんだけど、瞳孔が開いてる。ヒゲも広がってるし…興奮してる?


「何か気になる物でもあるのかしら」
「うーん…血の臭いでもする?」
「ま、まさかナミすわんかロビンちゅわんがお怪我を…!?」
「あら、でもライが気になるのはあなたみたいよ?」
「へ?俺?」


ロビンにそう言われてサンジくんの方を見れば、名前はサンジくんの手の平の匂いをしきりに嗅いでいた。

そしてぺろり、と一舐め。


「んな…っ!!?!」
「ちょっと名前!!あんたホントにどうしたって言うの!?」


ごろごろと喉を鳴らしながらサンジくんの手を舐めた名前。サンジくんは驚いて手を引っ込めたけど、今度は自分の首を擦り付けるように足に絡み付く。

え、何これ、甘えてるの…?

初めて見る光景に狼狽えるあたしとサンジくん。反対にロビンはハーブティーに口を付け、優雅に笑った。


「このハーブティーにイヌハッカは入れた?」
「「イヌハッカ?」」


ロビン曰く、イヌハッカというハーブの本当の名前はキャットミント。それがなんでかイヌハッカと呼ばれるようになってしまったけど、要はマタタビみたいなものなんだとか。

サンジくんもたしかにハーブティーに使ったって言ってるし。なるほどね。それでサンジくんの手の平に残った匂いに反応したって訳か。


ごろごろと喉を鳴らす名前はあたしたちの足の間を行ったり来たり。でもやっぱりサンジくんの手の平が気になるみたいで、立ち上がって前足を背中に引っ掛けたり、首を擦り付けたり甘えるようにお腹を見せたり…。


「サンジくん」
「は、はい?なんでしょうかナミさん」
「ちょっとその子海に落としてきて」




月 曜 日

正気に戻った名前は何も覚えていなかった。まあ、名前はそれで良かったかもしれないけどサンジくんは始終怯えてたわね。

よし、この調子で明日も観察するわよ!


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