ハロウィン2



名前が乗り気だとは迂闊だったわ、とぼやくナミに首を傾げつつロビンを見遣る。ロビンはまた、なんでもないわと小さく微笑んだ。


「でも少し意外、かしら」
「何が?」
「名前はこういうイベントにあまり興味がないと思っていたから」
「はは、あながち間違いじゃねえよ」


こういうのは参加するより見てる派だから。そう言って少し困ったように笑ってみせる。今回自らハロウィンというイベントに参加しようとしているのは、この船のクルー達は皆そういう祭り事が好きだろうと思ったから。だから前々から日付を確認して、寄る島寄る島で衣装を買い込み、ジャックランタン用にとサンジにカボチャを買い置きしてもらっていた。…こうしてみると一番浮かれてるのは俺だな。

ま、でもたまには参加する側に回るのも悪くないだろう。一緒にやるのが彼らとなれば尚更。


「はあ…。どうせ言っても聞かないわね?その顔じゃ」
「おう!準備に掛けた時間と金がもったいねえからな」
「分かったわ。布はあたしの部屋の替えのシーツでも使いなさい」
「さっすがナミ!話が早くて助かるよ!」


どこか諦めたように笑うナミに、ありがとうと言って笑顔を一つ。辺りはまだ明るいけれど、船内にはいつでも夜のように暗い部屋がある。そこでルフィやチョッパー、ウソップでも誘って余興の練習でもしてみようか。それともルフィと一緒にチョッパーとウソップを脅かしてやろうか。

そこまで考えて、ああ、やっぱり俺が一番浮かれてるんだなって答えに行き着いた。この際そんなことはどうでも良いか。あいつらと思いっきり楽しめるんなら、その方がずっと良いに決まってる。




浮かれる猫の子

早く夜にならねえかなー


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