ああ、どうか夢であってくれ。

それが最期に思った言葉だった。そう、あれが俺という人生の最期だったはずなんだ。





部活の後、皆でラーメンを食べに行って、駅まで円堂達に送ってもらって、もうだいぶ遅くなってて、近くに酔っ払いがいて、やだなって思って。

電車が来ます。その文字が光る。お決まりのアナウンスが流れた。俺の足はもちろん、白線の内側。でも、背中に衝撃。振り向けば酔っ払い。あ。俺とおっさんは同じ顔をした。嫌な浮遊感、誰かの悲鳴、つんざくようなブレーキ音。嘘だ。こんなの、何かの冗談に決ま









『――線――駅で人身事故が発生しました。安全の確認が取れ次第、運行を再開いたします。お客さまには大変ご迷惑をおかけしておりますことを、深くお詫び致します。いましばらく、ご乗車になったままでお待ちください』





終わりの始まり


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