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ぽかん、と開けられた口。デンジに似てるのになんだか間抜けで、ちょっとだけ笑ってしまった。
「ヴィッレアは確かに俺のポケモンだったんだけど、今日初めて会った」
「なかなかあたしだって気づかなかったしな」
「起きたら馬乗りにされててびっくりしたけどね…」
焼けたモモンを頬張りながら、ヴィッレアはまたにやりと笑う。彼女は俺なんかよりよっぽど男らしくて頼りになる。
「…にわかには信じがたいな」
「うん。俺もよく分かってない」
「すごく遠い、とかってだけじゃないのか?」
「たぶん違う」
「でも、ポケモンはいたんだろ?」
「正確にはいなかった。空想上の世界と生き物だったんだ」
「……」
あえてゲームという言葉は伏せた。言いたくなかったし、その先を上手く説明できる自信もなかった。
プラットは難しい顔をして考え込んでいる。俺は心の中でごめんね、と彼に謝った。こんな訳の分からない話に付き合わせてしまったこともそうだし、
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