▼喧嘩するほど

※まだ壁が破壊される前くらい
※ハンジの過去捏造

「うるさいこのチビ!構わないでくれよ!私は、貴方の子供でも何でもない!」

ギャーギャーと喧嘩をするのも何時ものこと。
互いに引き際が分からなくなって喚き散らして喧嘩することが2人にとっては何時ものことだった。
調査兵団の名物のように数ヶ月に1度繰り広げられるリヴァイ兵士長とハンジ分隊長の口喧嘩。
最後にハンジが叫んだのは、まあ全く心にないものだったけれど、口から出たものを撤回するには遅すぎた。

「…もういい。」

リヴァイはそれだけ言って、あれだけ大きな声で喧嘩してたのも静まり返って低いトーンで彼が言ったのをハンジは呆気に取られながら見つめた。それを最後にハンジはリヴァイの姿を殆ど見てない。

「いい加減仲直りしなよ。あんたが悪いんでしょ」
「…リヴァイも悪いし、」

食堂で昼食を食べながら同僚のナナバに諭されるのをハンジは一蹴して、ジロリと喧嘩別れした相手のリヴァイを睨む。
大体いつもは喧嘩してもすぐ仲直りするのに、というかあんな言い合いの終わり方したこと無かった。大概お互い不満を言い合ってるうちにエルヴィンとかミケとか、ナナバとか、リーネとか、ゲルガーとか、とにかく古株の者が止めに入るのだ。その度に、バーカバーカと罵って、リヴァイから引きずり離されて、リヴァイと離れた場所でこっぴどく扱かれる。
扱かれたあと、少し気まずい空気の中、酷い目にあったとリヴァイと愚痴り合ってやんわり仲直り、っていうのが通例だった。
今回は違ったけど。
と長い心の中のハンジの不満。

「…ンジ、ハンジ!」
「ふぁ?!」
「…スープ、さっきから零してる」

ナナバの声に我に返ったハンジは、ナナバに指摘されて、スプーンで掬ったスープを口まで運びきれずに零れたスープが、パンにかかってびちょびちょになっているのに気づく。

「うわぁ最悪だよ…どこ持って食べればいいのさ」
「リヴァイのこと見すぎ」
「見てないっ」

ハンジは食い気味に否定しすぎて、やや相手にも引かれてるし図星なのがバレバレで少し恥ずかしくなった。
離れたところでミケと昼食を取るリヴァイとは、1回も目は合わなかった。

その後ハンジは昼からの訓練とか書類処理とかをバタバタとしているうちにすっかり夜になって、また食堂で食事を取って、部屋に戻った。
分隊長に就任してから個室になった部屋で、1人なのは少し寂しい。相部屋の子達は、訓練後にも関わらず楽しそうに話しているのをハンジは知っている。
廊下まで同僚といたのに、部屋に入った瞬間の静けさが嫌いだった。
喧嘩の原因にもなったハンジの部屋の荒れ具合はリヴァイのおかげで綺麗になった後で、床に何も落ちてはいない。いつもなら物を蹴って歩く部屋もスイスイ歩ける。
ひと息吐いて、ハンジはシャワーを浴びた。

「ふぅ…」

ぬるいお湯が疲れごとハンジの身体を蔦って流れてゆく。

ーーーもういい。

と、最後に聞いたリヴァイの声がハンジの頭の中で反芻する。
呆れたような、見放したような、冷たい声。
彼女は、どうすればいいか分からなくて頭を掻いた。



「リヴァイ、今日はいつにも増して不機嫌だな」
「…そうでもねえだろ」
「ハンジだろう?」
「…チッ」
「部下達が怯えている。あんまりそう不機嫌そうにするな」

リヴァイは団長であるエルヴィンの部屋で紅茶を飲んでいた。
一通り次の壁外調査の話しをして、一服、という時だった。
こういう時の、エルヴィンの勘の良さがリヴァイは少し嫌いだ。

「もう、あのクソメガネのことは知らん。」
「おやおや。そんなにチビと言われたのがショックだったのか」
「違う」
「ハッハッハッ冗談だ。大方は私のこの部屋まで聞こえてたけどね。ハンジが、本気で言ってないことくらい、分かってるんだろう?」
「…チッ」

リヴァイは2度目の舌打ちをしてから、紅茶を飲み干して、足早にエルヴィンの部屋を出ようとドアノブに手をかけた。

「リヴァイ、明後日の会議までには頼むよ。じゃないとまともな会議にならない」
「…それは命令か?」
「どう捉えてもらっても」
「了解だ。エルヴィン」

エルヴィンの脅迫じみた笑みが、さっさと仲直りしろと、リヴァイを囃し立てている。
ガチャリと、ドアを閉めて部屋から出る。
そのままリヴァイは自室へと向かった。

リヴァイも最初はいつもの様に喧嘩を終わらせるつもりではあった。お互い踏ん切りがつかなくなってダラダラと嫌味の応酬のような喧嘩を続けているうちに誰かが止めに入るだろうと思っていた。

ーーー構わないでくれよ

リヴァイの脳内にハンジの言葉が反芻する。
あれは冗談じゃない、腹の底から出たハンジの本音だ。とリヴァイは頭の中でエルヴィンの言葉を否定した。
エルヴィンには仲を戻せと言われ承諾したリヴァイであったが、内心はどうすればいいのか分からず五里霧中を彷徨う思いでいっぱいだ。
どう切り出せばいいのかわからない。むしろ掘り返したら返って彼女を怒らせてしまう気がすると、リヴァイの足取りは酷く重たいものに変わる。
らしくない溜め息を吐いて、リヴァイはハンジの部屋に向かった。
罪悪感は、ある。もちろん。
自分も悪いのはリヴァイが1番分かっていた。
リヴァイには胸に何かがつっかえている気がした。
いつも、もう我慢の限界だと思っても、突き放すことはできなかった。

コンコンコン、と軽快なノック音と裏腹に重い気分のままハンジの部屋の扉の前で、リヴァイは立っていた。
中からは、はーい、と喧嘩した時とは違う通常トーンのハンジの声が聞こえる。

「…俺だ」
「…だれだよ」
「…リヴァイだ」
「あ、そう。」

ノック音を鳴らした主がリヴァイだと分かった途端ツートーンくらいは下がったであろうハンジの声。
不機嫌さを隠しもせず扉も開けない。

「何か用…」

ハンジは、どうしてこう素直になれないのだろうと、自己嫌悪に陥っている。リヴァイは、その事を知るわけもなくハンジがまだ怒っていると思った。

「この前は、悪かった。」

リヴァイの、聞こえるか聞こえないか位の細い声。木の板一枚で見えないリヴァイの表情は察するに余りある。
ハンジは、自分こそ謝らなければならないのに、と思う。
元々喧嘩の原因は、ぐちゃぐちゃに汚れきったハンジの部屋をリヴァイは掃除していた時のことである。
その時、誤って彼は彼女が大事にしていた今は亡き兄の最後の手紙を捨ててしまった。
だがその大事な手紙とやらは、ハンジがエルヴィンへ巨人の捕獲作戦を承認してもらうために作成した企画案を纏めていたときだ。連日の徹夜にハンジの体力も気力も限界に近く苛々していたとき、その心を沈めようと亡き兄との思い出である手紙を読み返して精神を落ち着かせたあと、そのままホッとして寝てしまった。そしてハンジの手元にあった手紙はそのまま彼女の汚い部屋の中に消え、行方不明状態になっていたのだ。
勿論、リヴァイは、ハンジに兄がいたことも、もう亡くなっていて、それがハンジの宝物であることも知らない。それにその手紙はただでさえ何年か前のものであるのに関わらず保存者がハンジであるせいで随分劣化していた。リヴァイには紙切れのゴミにしか見えなかったのだ。不可抗力といっても過言ではなかった。

「リヴァイ…っ」

ハンジは、自分も謝りたくて、リヴァイが謝ってくれたことが嬉しくて、でも申し訳なくて、悲しくて、悲喜こもごもとした気持ちで胸が熱くなる。なんだか目頭まで熱くなって込み上げた気持ちをぶつけるように扉を開いた。

「…リヴァイ?」

ハンジが部屋から飛び出した時には、リヴァイはもういなかった。




「ハンジ、今日はやけに眠そうじゃない。夕方の会議の企画案、一昨日には出来たって言ってなかった?」
「出来てるよ…とっくに…早く会議でお披露目したいくらいさ」
「…まだ喧嘩してんの?長いなあ」

朝、着替えて食堂に行き何時ものように友人のナナバと朝食を取る。
上手くも不味くもないスープと、少し固いパンを齧る。

「…謝られたよ。リヴァイに」
「うっそ!じゃあ仲直りしたんだね」
「…わかんない」
「え?」
「分かんないよ、そんなの。」

ハンジは、深い溜め息を吐いた。
ナナバは何のことだか理解が追いつかず疑問を抱える。しかし迷子の子どもみたいに不安定で今にも泣き出しそうな顔のハンジを見て、これ以上追求するのを辞めた。

「ハンジ」

ハンジは頭上から降ってきた声が、リヴァイのものでは無いと分かっていながらも、少し期待してしまう。声をかけてきたのはミケだった。
ハンジと同じく分隊長であり、またよくリヴァイと食事をしている。もしかしたら、

「今日、リヴァイは午前休を取ることになったらしい。午前中の合同訓練は中止、いつも通り自隊を率いて訓練せよ、と」
「な、なんで休みなの?!」
「知らん、が…夕方の会議には必ず出るらしいぞ」

ミケは業務報告だけ言うと、じゃあな、と言ってハンジとナナバの座る席から離れていった。

「…もしかして、避けられてる?」

ナナバの最後の一言に、ハンジの心は完全に打ち砕けた。
しかし、ハンジとてこのまま何もしない訳にはいかない。
どうして午前だけ休みを取ったのか、理由も分からない。ただハンジの率いる分隊と、最近新たな試みとして新設されたリヴァイが率いる特別作戦班の初の合同訓練が中止になるだなんて、よっぽどの理由でなければ納得いかない。
ハンジは折られた心を包帯できっちり固定して、何を言われても大丈夫と言い聞かせて、リヴァイの部屋の扉をノックした。それはもう、割と乱暴に。

「ちょっ、リヴァイ!開けろよ!」

ドンドンドンッと何度叩いても部屋の中から反応はない、もしやと思い扉に耳を当ててみると物音、いやそれどころか人の気配すらなかった。

「ハンジ、リヴァイなら部屋にはいない」
「エルヴィン…」

エルヴィンが廊下の先からハンジの方へ向かってきて告げた。団長であるエルヴィンなら、リヴァイの突然の午前休の理由がわかるはずだ、とハンジは思った。なぜなら休み申請はエルヴィンに言わなければならない。

「ねえエルヴィン!リヴァイは何してるんだ?なぜ午前休なんか…」
「それは教えられない。」
「なんで!」
「プライバシーだよ、ハンジ。友人とはいえあまり詮索するものじゃない」

頼みの綱だったエルヴィンにも断られたハンジはいよいよ諦めるしかなく、部下達が待っているであろう屋外の訓練場に向かった。

ハンジが苛々しながら行った訓練は、何時もより少しピリピリした雰囲気であった。
ハンジは頭の中に広がる濃霧を取り払うように、訓練に没頭する振りをする。
何となく遺憾の残る形で終わってしまった訓練にハンジは情けなく思いつつも昼休憩に入った。
部下達に八つ当たりのようなものだと自分を卑しめながら、ミケ班の午前訓練を終えたナナバと合流して昼食を取る。
相変わらず固いパンと、味の薄いスープを食べる。

「ハンジ」

昼食を食べ終わり、机に突っ伏していたハンジ。
いつの間にかウトウトしてしまっていた。

「ハンジ、起きろ」
「、んー」
「おい早く起きろクソメガネ」

ハンジは唯一、失礼な愛称で自分を呼ぶリヴァイが声をかけてきていたのに気付き、驚いて未だ夢の中だった頭がバッチリ目覚める。辺りを見回しても、皆食べ終わったのか殆ど人はいない。端のほうにチラチラいるくらいだ。

「リヴァイ…!!」
「……」

突っ伏していた頭を突然起きあげ、神妙な顔付きでリヴァイの腕を掴んで名前を呼ぶハンジにリヴァイはシンプルに少し引いた。

「これ」

ハンジの興奮が少し収まったところでリヴァイは胸ポケットから、紙切れを出した。

「これって…」
「大事なものなんだろ…しっかり仕舞っとけ」

リヴァイが手にしていた紙切れは彼が誤って捨てたはずの亡き兄からの手紙だった。
ハンジはそれを半信半疑で受け取って、リヴァイを見る。よく見ると潔癖症な彼にしては珍しく服や手が少し汚れている。トレードマークともいえる真っ白なスカーフも心做しか少し汚れて見える。

「もしかして、塵溜めから探し出したの…?
そのために、午前休取って、今の今まで探してたの…?」
「…悪いか」

リヴァイの優しさが心に染みて、今までの自分の行動すべてにハンジは後悔した。
目頭が熱くなって涙が溜まる。
溢れてポロポロ零れだした時にはリヴァイを抱きしめていた。

「うぅ〜…っ」
「おい…汚れるぞ」
「いいよ。いまはこうしたい気分。ありがとうリヴァイ」

リヴァイは少し覚束無い手つきでハンジの背中を摩る。

「ごめんね。リヴァイ。私が悪いのに。いつもありがとう」

リヴァイはハンジからポロポロ溢れる涙を拭って、食堂にいるのが居た堪れない気持ちになって、宥めたハンジを連れて食堂から出る。
そのままハンジを部屋まで送って自身の部屋に戻り風呂に入った。
潔癖のリヴァイが、昨晩から風呂に入っていない。それに塵溜めを漁っていたのだ。
入念に身体を洗って風呂から出る。

「…おいおいおい、」

リヴァイがパンツとズボンだけ履いて風呂から出ると、先程まで泣きじゃくっていたハンジが彼のベッドに横寝で膝を抱えて寝転んでいた。

「何してやがる」
「大丈夫。昨日はお風呂入ったから」
「そうじゃねえ…」

ハンジは拗ねた子どものように寝転がって動かない。
リヴァイは半ば諦め気味でハンジを無視して適当に頭を拭いて服に袖を通す。

「なんか、離れたくなくて」

膝を抱えたまま拗ねた子どもみたいに言うハンジにリヴァイは少しだけ溜め息を吐いて、ベッドに腰掛けた。ハンジの頭の横あたりに腰を下ろして、慣れない手つきで彼女の髪に触れる。

「このベッド、リヴァイの匂いしないんだね」
「ソファで寝てるからな」
「身体ガチガチになるよ。ただでさえもう若くないのに」
「椅子の方が寝れる」

元々喧嘩するほどにはハンジと仲がよかったリヴァイ。飾らない、偽らない彼女といるのはリヴァイにとっても気が楽だった。ただ、同僚であり友人、なのだろうと思っていた彼女の、女らしい弱った部分を見るのは初めてで年甲斐もなく戸惑ってしまう。

「私の兄さんの話ししてもいい?」
「ああ」

「私の兄さんは、とても優しい人だったよ」

ハンジの亡くなった兄は元調査兵団だった。
年の離れた兄は休暇になるとハンジのいる実家に戻り壁外の話しをした。
巨人を殲滅して、平和な世界にしてハンジも連れてってやるから、それまで待ってろよ。
が、ハンジの兄の口癖だった。太陽のように笑う人だった。
ハンジは幼少の頃から友人がいなかった。
いっつも花や草や木や虫、といった生き物に興味津々のハンジは周りに気味悪がられていた。
そんなハンジが頼れるのは両親と兄だけ。
ハンジの中で兄という存在は、憧れの人であった。
兄だけが自分の理解者だった。
次の壁外調査のあと、兄がまた実家に帰ってくる。
ハンジはどきどきしてあまり眠れなかった。
新しい壁外調査の話が楽しみで仕方なかった。

しかし、帰ってきたのは兄が壁外調査の後に出そうとしてたであろうハンジ宛のバースデーメッセージの書かれた手紙と一緒に添えられていた綺麗な押し花で作った栞だけだった。
ハンジの兄の遺品と言われたそれを、ハンジは涙を流しながら抱きしめた。両親も泣きながらハンジを抱きしめた。

それから数年してハンジが訓練兵に志願したと、両親に事後報告をすると、母親はそれはもう天と地がひっくり返るのではないかという衝撃と怒りで一日中取っ組み合いの喧嘩になった。
父親にも止められたが、ハンジの意思は揺るがず、あれ以来母とは仲違いしたままだった。
一方的に送り付ける手紙も、父からしか返事が来なかった。
けれど、あの日から、兄の遺品が届いた日から、ハンジは壁外にいき、巨人を殲滅し、平和な世界にすることが彼女の夢だった。

「兄さんは、貴方と違って仏頂面でも無愛想でもないけど、似てるよ。すごく落ち着く」
「俺はてめぇの兄貴になるつもりはねえ」
「ふふ、私だって貴方みたいな潔癖でめんどくさそうな兄さんは嫌だよ。」

ハンジがそういうと、リヴァイは無言で彼女をベッドの端へ追いやった。

「え、ちょ」
「会議まで寝る…お前も寝とけクソメガネ」
「…私達午後サボっちゃってるなあ」
「どうせ書類整理だろ明日でいい」

リヴァイはベッドの上に足をあげる。
ああ、寝るんだ、とぼんやりハンジが考えていると、ちゅ、と簡単なリップ音が鳴る。

「えええ、ちょっ!えええ?」
「…兄弟は、こんな感じだろ寝る前。ちがうのか」

リヴァイは、ハンジの額に優しくキスをした。
子どもを寝かしつける母親のように。

「でも、私たち、兄弟じゃないし!」

ハンジは顔から耳まで真っ赤にしてリヴァイを見る。
リヴァイは彼女の身体を跨ぐように、腕をつく。
まるで押し倒されてるみたいだ、とハンジの心臓が痛いくらいバクバクと脈打つ。
ハンジに対してリヴァイは相変わらず目つきの悪い顔で彼女を見下ろす。

「じゃあこれでいいか」

リヴァイの顔が近づいてきてハンジは驚きと恥ずかしさで目をきゅっと瞑った。
リヴァイの吐息がハンジにかかる。
鼻と鼻が引っ付く寸前で

「冗談だ」

リヴァイがそう言って離れていくのが分かってハンジは恐る恐る目を開く。
あれほど至近距離で近づいたのは初めてで、未だに信じられずハンジは呆然とする。

「え、リヴァイ寝るの?」
「さっきもそう言っただろ」
「ここ、ソファじゃないよ?」
「いまは、離れたくねえんだろ」

リヴァイはそう言うとハンジの横に寝っ転がる。
彼女は視界いっぱいにある広い背中から、何となく目が離せなかった。
ハンジより小さい背なのに、不思議ととても広く感じられる。
ハンジは、そっとリヴァイの口唇が触れた額に指で触れてから、目を閉じた。





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