きらきら輝く星空を見ると無性に泣きそうになるのはなぜだろうか。
死んだらお星様になると、言うからだろうか。
今確かに横にはギルベルトがいて、重ね合わせた手は確かに熱を持っている。
なのに、どうして哀しくなるのだろうか。
あの星のどこかにじいちゃんがいるのだろうか。
なあ、じいちゃん。
繋がる手が溶け合って取れなくなってしまいそう。
お互いの感情とか熱とか、全部がそこから流れあってぐちゃぐちゃに混ざって融け逢って、全部全部星空といっしょに一つになる、そんな感覚。

「なあ、ロマーノ、キスしたい」
「…俺もそれ、言おうと思ったぞこのやろー」

星みたいに笑うギルベルトが妙に愛おしくて。
俺たちはキスをした。
口唇と口唇が軽く当たる、そんなやつ。

空はひとつで何処にいてもだれかと同じ空を見ているって不思議だ。
遠くの君に想いを乗せて星屑になって飛んでいけ
そんなふうに思って毎日をすごす
逢うと離れ難くてもう離したくないと思うけれど
簡単にお別れの時間がやってくる
結婚をすることも、死ぬこともできない俺たちは
どうすればひとつになれるのだろうか。
やはり星空の下でからだを寄せあって、瞳を閉じて瞼の裏で星をみて、お互いの鼓動を感じて。
そうしているしかないのかもしれない。
星の下だと涙腺が緩む。
あつい涙が流れた。
ギルベルトからも、流れてた。


← →
back


「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -