彼の両手は俺の頭の両横の床につけられている。俺は仰向けに床に寝ており、彼は両膝を床について俺に覆い被さっている。上から見詰められている。彼は口角を上げるとゆっくりと顔を近づけてきた。段々近づく彼の緑の目に頬を朱に染めてしまうから俺は眼をつぶった。黒い視界の中で柔らかな衝撃を待った。何時来るのか。これはある意味拷問なのだ。早く終わらせろ。しかし待てども待てども何の感触もないので眼を開けたら、鼻が触れる直前の所に彼の血色の悪い顔があった。彼は俺の唇に軽く息を吹き掛けると、やっぱりやめとく。と言って顔を遠ざけた。なんだよこの野郎。俺は上体を起こすと彼にぶつかるようにして口付けをした。すると基山の腕が俺を抱え込んだ。俺はもうこいつから離れられない。
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