「やる」
といってくれたのは、ピザまん。朱っぽい。中にチーズが入ってる。そしてコンビニで100円。
「え?いや、悪いよ!俺、食べたかったら自分で買いますし!」
俺は純粋に申し訳ない気がして(たかってるみたいだし)断った。そしたら佐久間は少しいぶかしげな顔をして
「ならいいけどさあ」
と言ってピザまんを自分の口に運び始めた。俺は少し安心したので息を吐いた。
俺らは無言で道を歩いて行く。
「なあ」
佐久間がぼそりと言った。
「なんでお前ってそうなの」
「え?」
「なんでお前って俺によそよそしいの」
「……」
答えられない。
「あれのせいか?宇宙人ごっこ」
「……かもしれない」
「ふーん」
佐久間が何か言うかなと思ったが彼はそれ以上は何も言わなかった。俺はそれのお陰で少し緊張していた。
また俺らは無言で道を歩いて行く。
「なあ、今度ピザまんおごって」
「え?」
「お前さっき俺が買ってやったの食わなかっただろ。むかついたからおごれ」
「え?」
理由はよく分からなかったが俺はすぐに
「あ、はい」
と答えていた。そしたら佐久間は何故か顔をしかめた。
「お前、そこは酷いって言えよ!」
「え?」
「そこは嫌がるところだろバカ!いーよ今度抹茶ソフトおごってやるよ!」
さっき断ったら怒られたので今度は
「はあ、ありがとう」
と言ったらまた
「だから嫌がれって言ってるだろバカ緑川!」
と怒られた。訳が分からない。それで困った顔をしたらもっと怒られた。
「お前抹茶ソフトって言われるの嫌なんだろ!」
「嫌だけど…」
「なら嫌って言えよ!」
「はあ…。じゃあ嫌だ」
「よし」
なんだこれ。意味がわからない。けど佐久間は俺の心配をしてくれているんだろうってことはなんとなく分かったから
「ありがとうございます」
って言ったら
「敬語やめろよ」
と言われて、しかもおまけにデコピンまで食らってしまった。
「痛い!」
俺が額に手をやって佐久間を睨んだら、佐久間はにやりと笑って俺の頭をぽんぽんと叩いた。
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