君の眼帯が欲しい。と言って俺の左目に伸ばされた手をぴしりと叩いた。痛。ハッ、当然だろ。叩いたんだから痛いに決まってるさ。ばーか。
何でだい。いいだろう。ちょっと貸してくれるだけ、触らせてくれるだけでいいんだ。そう懇願するアフロディに俺はイライラが隠せない。いいよなあカミサマは。何でも思い通りになると思っていらっしゃるようで。
カミサマは眼帯を寄越せとしきりに頼む。仕方無いから、なんで俺の眼帯が欲しいんだよ。と訊ねてやった。そしたらカミサマは、だって僕は負けてしまったんだ。と言った。
だって僕は負けたんだ。神のアクアまで使って、勝とうとしたのに勝てなかった。僕には何にもなくなってしまったんだよ。僕はアフロディではなくなってしまった。君、知ってる?僕の本名は亜風炉照美というんだ。僕はね、アフロディである僕を葬りたい。照美になりたい。だから君の眼帯が欲しい。アフロディの目を隠すために。
と言ったので俺はさらに腹が立って、だから手が勝手に動いて、気が付いたら俺はカミサマの頬をパシリと叩いていて、何故かっていうと何か腹がたったからで、つまり理由はよく分からない。
ただ、これだけは言いたい。
ばっかじゃねえの?眼帯を付けたって何も変わんねえよ!照美のばーか!
アフロディもとい亜風炉照美はポカンとしてる。ばーかばーか!神のアクアも俺の眼帯もチートの道具じゃねーんだよ!アフロディもとい亜風炉照美はハッと意識を戻すと、そうかもしれないね。僕が何とかしなきゃいけないものね。と言った。そして、ありがとう佐久間君。君は優しいね。と言って笑った。
別に俺は感謝されたからといって嬉しいなんてこれっぽちも思っていない。ふん!見てて腹立つから照美なんて嫌いだあほ!あー鬼道さんに会いたい!
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