飛行機は青い空を物凄い速さでかけていった。ゴオオオ。重たい音が辺り一面に響き空気が震える。しかしそれはすぐに遠く離れてやがて聞こえなくなった。
「行っちゃったな」
「行っちゃったね」
「…みんな、勝てるかな」
「勝てるよ」
「俺らも頑張んないとな」
「うん、そうだね」
もう一度空を見た。飛行機はもう見えない。今は何処の上空を飛んでいるのだろう。空が青い。そしてそこにあるのは白い雲ばかり。
「ねえ緑川君」
「なに」
「悔しい?」
「…当然だよ」
緑川がそう答えた瞬間に、彼の今まで留めていた気持ちが溢れ出してきた。言葉という形を得たからだろうか。かせを切ってしまい流れが止まらない。それは加速して加速して勢いづいて!涙となって溢れ出た。
「…仕方ないのは分かってるんだ。…でも」
うつ向いて涙を拭うと吹雪が分かるよ。と言った。
「分かるよ。僕もそうだもの」
緑川が吹雪の方を向くと吹雪も泣いていた。透明な涙が頬をつたう。
「…頑張ろっか」
「うん」
「僕、緑川君がいるなら頑張れる気がするよ」
「うん」
そう言って二人で泣きながら笑った。
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