円堂君って凄いよね。憧れるなあ。円堂君はどうしてあんな風に考えられるんだろう。どんなときも諦めないで。凄いよね。俺円堂くん好きだなあ。

それが恋愛感情でないことは知ってる。ついでに俺だって円堂は好きだし、尊敬してる。だから別にヒロトの言うことに異論はない。でもさ!俺と二人きりでそれはどうかと思わないか!?なあヒロト!?

円堂君円堂君。凄いよね。憧れるよね。いいなあ風丸君。円堂君の親友で。羨ましいなあ。円堂君、本当にいい人だよね。円堂君円堂くんえんどうくん。

そう言えば前吹雪に、
ヒロト君と付き合うの?ふうん。頑張ってね。
と言われたのを思い出した。ああ、あの、ふうん。頑張ってね。は、こういうことだったのか。成る程なあ。世間一般からすれば、確かにヒロトみたいな奴とは付き合いたくないだろうな。でも俺は今付き合ってるわけだし、好きだし、どうしよう。

「ヒロト」
声に出して名前を呼んでみる。彼の話を遮るタイミングで、わざと。
「ん?なんだい?」
「俺さ、そうやって円堂について幸せそうに話してるお前が好きだよ」
そう言ったらヒロトは苦笑して、ごめん。と謝った。
「ごめん。あまり気分よくないよね。止めてくれてよかったのに」
「いや、別にそんなんじゃ」
「風丸君」
急に真剣な声音で名前を呼ばれたと思ったらヒロトが真剣な表情で此方を見つめていた。さっきのふわふわした笑顔から一変した大人びた雰囲気に俺はどきりとさせられる。ヒロトは丁寧に言葉を選びながら、でも目は真っ直ぐ此方を見つめて言った。
「俺は、いや…、僕は、風丸一郎太君が好きです」
真っ直ぐ俺を見つめるエメラルド色の目。告白。それに戸惑って言葉が出ない。心臓がどきどきどきどき。何か言わなきゃ。
「…と、おれ、いや僕も基山ヒロト君が、好き、です」
するとヒロトが、俺がそう言い終わった本当にすぐ後に、頬を赤くしてにこっと笑った。子供みたいに本当に嬉しそうに、にこって。
「よかった。風丸君が俺を嫌いにならないでいてくれて」
「そんなわけないだろ」
「悪いのは俺だけど、嫌われたかな、どうしよう。ってやっぱり思ったよ」
「そんなわけないだろ」
俺の二度の返事に、そうだね。そんなわけないよね。と呟いてヒロトは幸せそうに目を細めた。俺も、そんなわけないさ。と言うと二人でまた笑みをこぼした。幸せだなあと思った。
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