勝己の隣にいたのは私かもしれなかった。序






(♀夢/英雄学/爆豪勝己)



憧れがあった。

同じ志があった。

親愛なる思い出があった。

絆があった。

安寧があった。



私たちはそれぞれ大切なものを育んできた。そのどれもが私たちにとっては代えがたいもので、唯一で、たった一人を想う心のあり方だった。

だけどその全ての想いが実を結ぶわけではない。悲しいことにこの世界には咲かない花がある。ただ一つを除いて、私たちは開花できずに人知れず朽ちた。その理由はあまりにも単純だ。

この心は彼の道に繋がらなかった。

ただ、それだけ。