店長が引き取ってきた猫が服を着ようとしない






(♀夢/英雄学/爆豪勝己/notヒーロー志望/特殊設定)



こまかいことはどうでもいいから、人に猫耳生やしたやつがすっぽんぽんで勝己を出迎えるやつやりたい。




ここはとあるネコカフェ。

猫カフェの猫といえば全身毛むくじゃらで四足歩行、体長四十六センチ前後の愛らしい愛玩動物が一般的だが、この店では異なる種類の猫に接客をさせている。

サル目ヒト科ネコ属。

人間の突然変異から生まれたと推測されるため生物学上はそう分類されている。ただし、知能や外見は人間に近いものの、習性はネコに似たものがあるため現在も出生の謎は追究されているらしい。

彼らの誕生の詳細は未だ謎だが、現代では彼らネコにも人権があり、人間とネコは共存する社会に発展している。闇売買されるほど珍しい種族でもなくなった。

ネコとは端的に言うと、頭部に猫の耳、尾骨から猫の尻尾が生えている人間のことである。









「繋いどけっつったろうが!」

「テメェも服着ろ!」





ネコの人権。それは人間社会で教育を受けた一部のネコに限定された話だ。生い立ちになんらかの問題があり、親や社会から人間的教育を受けられなかったネコは野良猫のように街の隅でホームレスの如く生活することもごく稀にある。ネコが発生する以前から存在する猫への印象もあり、教育の有無によって人間か下等生物かの認識が分けられてしまうことは否めなかった。そういった野良ネコに合わせた養護施設は十分と言えるほどの数はなく、社会環境を万全に整えるほど政府の理解が集まっていないのが現状である。そのため、教育を受けていないネコの養護施設といえば民間運営がほとんどだ。

ネコは猫同様、一度の懐妊で複数出産する傾向がある。家庭の経済事情からネコを間引くためにネコカフェや保健所の前、果ては山奥に置き去りにする親がいるという社会問題もあった。
また、ネコは教育の機会を逃すと己を猫だと思いこむ傾向がある。つまり人間になれなかったネコは、自分を猫だと思い込んでしまうのだ。
そういった諸々の事情から、ネコに対する偏見は大きい。ネコが住みよい暮らしを得るには、理解のある人間との共存が不可欠なのだ。