notヒーロー志望。お隣さんは緑谷家if






(♀夢/英雄学/緑谷出久/爆豪勝己)



主のお隣さんが勝己ではなく出久だったら。

「出久」「勝己くん」呼び。出久と話した後とかはたまに「かっちゃん」って呼んじゃう。
出久は主を呼び捨て。兄妹みたいに育ったからちゃん付けしないし、女子と会話するカウントに主は含まれてない。
恋愛感情は抱いてはいけない対象だと思っている。全く意識していない訳ではない。不意にドキッとして、意識的にストッパーを掛けてる。歯止めは利く。

出久と一番仲が良い。勝己はすごい人。それ以上でも以下でもない。顔と名前を認識しているモブって感じ。

勝己との距離はちょっと遠め。気の置けない会話はできない。勝己は主を憎からず思っている。ものすごーく淡ーーーく恋しててほしい。
幼少期に「勝己くんすごいのね」って言われて得意になったのに、主が出久にべったりしているし、出久が我が物面で主の話をするのが気に入らない。俺の方がすげえ。俺の方が上だ。
女に優しい態度を取るなんてしない。会話する時の態度は平素と同じなので憎まれ口ばっか叩いてつっけんどん。「ああ、機嫌悪いのね」って思われて早々に会話を切り上げられて、後々クソってなる勝己。
(本編の方は自分の所有物って思える範囲に主がいたから態度が余裕)




「出久ネクタイ、かわいいことになってるわね」

「これかわいいの…?いっつもこうなっちゃうんだよね」

「それどうなってるの?解いてみてもらっていい?」

「…◎からかってるでしょ」

「そんなことないわよ。ね、ちゃんと締めてあげるから」


「…ふふ」

「え、なに?」

「だってすごい巻き方してるんだもの」



「あれ、デクくんいつもと違う」

「え?あ、ネクタイかな」

「本当だ、ちゃんと結べるようになったんだね」

「…実は幼馴染にやってもらって…」

「えっ!爆豪くん!?」

「いやいやいや!?まさか!かっちゃんとは別の、家が隣の子に」


聞こえてイラつく勝己。
机とか蹴って欲しい。



勝己VSデクの戦闘訓練のちょっと後くらい
田等院駅で勝己が◎を見つける

「おい◎、てめえ今帰りか」

「うん、まあ。これから本屋さん寄るところだけど」

「ちょっと付き合えや」

「…本屋さんの後でもよければ」



「勝己くん、どうかしたの」

「うっせえ黙ってろ」



「おめー、デクに個性あること知ってたか」

「ああ…うん。聞いたわ。先月くらいに」

「先月?」

「突然発現したんですって、奇跡的に。医学的にはあり得ないことじゃないとか…」


「…それもおばさんから聞いたし。いつから発現してたのかは知らない」

個性の発現にずっと憧れていた出久が、発現していたことを自分に話さなかったことに少なからず傷ついているというかヘソを曲げている。




「勝己くん、出久とはまたクラス同じ?」

「ああ」

「縁があるわね」

「うるせえ」

「出久、無茶してない?」

「んなもん俺が知るか。本人に訊けや。隣だろ」

「出久は濁して話すから。学校のこと。怪我のこととか」

「…」

「この間、すごい怪我して帰ってきて、びっくりしたわ」

「…」

「ヒーローって、そういうもの?」

「…戦えば怪我の一つや二つ珍しかねえ。オールマイトじゃあるめえし、怪我しねえなんてあのクソナードにできるわけねえだろ。調整もろくに出来ねえで自滅してやがんだからな」

「…そう。そうよね」


「勝己くんは?」

「あ?」

「怪我してない?」

「…クソナードと一緒にすんな」

「勝己くん、強いものね。入試一位だって聞いたわ。すごいのね」

「当然だろ。俺ぁオールマイトをも超えてトップヒーローになんだ。ザコ相手に負けるわけねえ」

「そう、頑張ってね」


あら
「勝己くんの家ってどの辺りだったっけ」

「余計なこと気にすんじゃねえ。どうせてめえ俺んち来ねえだろ」

「うん」

マンション(団地?)の前まで送る。

「送ってくれてありがとう」

「ああ?自惚れんな。通り道なだけだ」

「そう、ごめんなさい。勝己くんの家ってもう少し手前だった気がしたから」

「ガキん時の記憶だろが」


「今日、話ができてよかった。また会えたら色々聞かせてほしいわ」

「…おお」

「ふふ、よろしく。それじゃあ」

団地に入ったのを見送った後、家に帰るために踵を返す勝己。爆豪家は通り過ぎてた。