notヒーロー志望で人魚姫






(♀夢/英雄学/爆豪勝己/轟焦凍/童話パロ)



notヒーロー志望。



深海は美しく、海底に住む人魚はこの世の生物の中でもっとも美しい。深海に生きる生き物全てにとって、それは魂に刷り込まれた固定観念だった。そして同時に、人間は海底の人間にとって醜い存在でもあった。

誰が教えたのか、すべての人魚は生まれて間もなく、人間への不快感を抱くようになる。生ゴミに群がる害虫への嫌悪感にも似ているし、狭く暗い場所に対して近寄りがたいと思うような、漠然とした恐怖にも似ている。特に理由はないが、生まれた時から人間に対して不快感を抱いている人魚が傍にいれば、それを言葉にして教えなくても受け止めていくのだ。人魚は例外なくその影響を受け、それが真実だと認識する。深く知りもしない内からその感情が埋め込まれていき、根を深めるごとに嫌悪感は沈着していった。

海の魔女の呪い。



人魚の中でも最も美しかった少女は、鱗をすべてはがされ足を生やされてしまった。

陸で生きることを強いられ、しかし故郷を忘れられずに海辺から離れることができなかった。

足を水につけてももう鱗はなく、滑るように泳ぐことはもう二度と叶わない。何度試してみても人の身体では溺れてしまう。水の中には一分もいられない。

今まで美味と思っていた海の食べ物は生臭く、とても口に出来るものではなくなった。人間が作った食べ物を口にしないと飢えてしまう屈辱。





そういう人魚姫notヒーロー志望。





主:人魚

勝己:人魚

伸藤人魚

滋牙人魚

出久:人間(従者)

轟:人間(王子様)

飯田:人間(従者)

切島:人間(従者)

上鳴:人間(街の住人)















<別案>

轟が王子様じゃない。



勝己を除く1Aメンツは自衛機関での養成期間生。人の為に働くのでヒーロー科とほとんど同じ感じでOK。



浜に打ち上げられた後は八百万と耳郎に拾われる。

どこから来たのか。何故あんなところにいたのか。問うても主は答えなかった。警戒と嫌悪で一言も口をきかない。名前も言わないし食事も口にしない。



「彼女にとってなにか相当ショックなことがあったのでしょう」

「まあ、海に裸で打ち上げられてたら何かあったっては想像つくけどさ。でもご飯くらいは食べてくれないと死んじゃうよ」



無理矢理食わせようとして触ると手を跳ねられる。



「…触らないで」



それが第一声だった。



貝を生で食べてお腹壊す。



「生で食べちゃったん!?ダメだよ火ぃ通さないと!」



人間の食べ物が美味しい。

泣く。

(どんどん人魚ではなくなっていく)





名前がないと不便だから、「海」と仮名をつけられる。





物を食べて体力が回復した後、養成施設の使用人として一先ず置いておくことになった。身元は完全に不明。先生方が情報収集してるがまったく何もわからず。主も何も語らない。







自由に生きていた頃を想い、主は遠く海を見つめる。





「おい」



「こんな時間に海にいたら、寒ぃだろ。もう夏も終わるぞ」

「…」



「風邪引く」







「刺身」



「生の魚食いてえんじゃねえのか」

「………」













人魚組(中坊三人)

主を探しに陸で探索





「…勝己…?」



「てめぇ今までどこ行ってやがった!!」



手が伸びる。

汚いものに触れさせてしまう。



「触らないで!」



ぴた



「………帰って」

「…あ?」

「もう、海には帰らない」

「、おい、てめぇ何言ってんだ。意味わかって言ってんのか」

「わかってるわ」







「黙って消えてごめんね。探しにきてくれたの?勝己は優しいのね」

「抜かしてんじゃねえぞ。こんなとこ一秒もいたくねんだよ俺ぁ。黙ってついて来いや」

「…行かないわ」

「フザけ…っ!」







「海?どうした」轟





轟に走り寄る





「おい!!!話はまだ済んでねえぞ!」

「話すことなんてない。貴方とは行かない」





「…お願いだから、もう来ないで」



こんな姿、見られたくなかった。



泣く。











ボツ

「陸…」

「なんかしらで知らせるとかしろや!」

「だって…だってもう私…」



泳げないんだもの。



ぼろぼろ



「おっ…てめコラ!泣くんじゃねえ!!」

「ごめん、だって」



「なんで、勝己」



こんな姿見られたくなかった。

どうして勝己がここにいるの。

もうずっと会えないかと思ってた。



「帰んぞ」

「………」

「おい、なに止まってんだ」



ここまでボツ











数時間後

拉致するように海に連れて行く。

勝己達に連れられて海に入るが溺れる主。

陸に上げる。



「んだこれ…」



なんで水に浸かってんのに尾がねえんだ。



「…てめぇら先帰ってろ」

「勝己はどうすんだよ」

「こんな胸糞悪りぃままで帰れっか」







(こいつ今までどこいたんだよ)



「海ちゃん!」梅雨とおちゃ子

「ああ?」



「汚ねぇ手で触んじゃねえ!!」



「誰だてめぇら」

「わ、私らはこの子の友達」

「嘘吐くんじゃねえ」

「なんで嘘だって思うの」

「見え透いてんだよ」

「お友達かは一先ず置いといて、私たちは彼女と一緒に住んでるのよ。貴方、この子に何したの」

「ああ!?人聞き悪りぃこと言ってんじゃねえぞ!こいつが溺れてたから引き揚げてやったんだよ!」



◎を触らせないために自分で運ぶ勝己



「…お前」



「…そいつに何した」

「てめぇらブッ殺すぞ!」

「海ちゃんを助けてくれたのよ、轟ちゃん」



「もう来んなって言われてなかったか」

「んでこの俺がこいつの言うことに従わにゃなんねんだよ。外野は引っ込んでろ」







「納得のいく説明をしろや」



「…嫌」

「いい加減にしろやクソカス!てめぇのせいで俺ぁこんなとこまで来てやってんだぞ!そんで見つけてみりゃこんなモブどもと暮らしてるだァ?俺をおちょくってそんなに楽しいかよ!ああ!?」





「…ふふ」



「…何笑ってやがんだ」

「だって、なんか嬉しくて…」



「」









相澤



「お前はあの子とどういう関係だ」

「てめぇには関係ねえだろ」

「なにもわからん状態で協力できん」

「…幼馴染だよ」

「それだけか」

「ああ」



「お前たちはどこから来た」

「関係ねえだろ」

「ある。身元の確認ができん」



「海のど真ん中だ」

「明確に言え」

「他に言いようねえわ。他の国が入れねえ鎖国的な場所なんだよ」

「お前たちは出られるのか」

「ああ。でも出るやつなんて誰もいねぇ。こういう状況にでもなんなけりゃな」



「お前はあの子を助けるために国を出たのか」



「………語弊がある言い方してんじゃねぇよ」













「彼らは学がないわけではない。過ごして来た文化が違うと考えるのが妥当でしょう。自由行動中はほとんど海にいます。彼らの国の宗教に帰属する行動かもしれません。排他的な性格ですが、爆豪、海の互いへの信頼関係はあるところを見ると、元来の性格というより国の風潮、宗教的感覚による線が強いと思われます」



海から来た、という話を素直に受けて、まさかと思う。

反応を見るために人魚の噂を流す相澤。









「人魚の肉を食うと不老不死になるんだってな」



「あるなら食ってみてえよな」









「あんなところにいたくない」





(なんで唐突に人魚の肉なんて話が出やがった)



「おいアホ、てめえその話誰から聞いた」

「お、