おつかい






(♀夢/英雄学/爆豪勝己/notヒーロー志望/中学時代)



「あ、勝己。あんた帰りおつかい行ってきて」

「はあ!?んで俺が!てめぇで行けやババア!」

「行けないから頼んでんのよ!買い物されてなかったらあんたの夕飯抜きだからね!」

「ぐ…っ!…行きゃいんだろがクソが!」








(クッソ。めんっどくせぇ)



◎にやらせるか、と考える。どうせ真っ直ぐ家に帰るし、その方が早いだろう。まだ家にいれば登校前にメモと金を渡してしまおうと●家の門の前に移動した。が、メモに書かれた内容を見て、呼び鈴を押す手を止めた。

醤油、酢、牛乳、砂糖、玉ねぎ…。

(重てぇもんばっかじゃねえか)

◎一人じゃ無理かと思い直して踵を返す。おつかいにしては量が多い。相変わらず遠慮がねえなとざっと見収めた最後、一番最後の品にピタと動きが止まった。



生理用ナプキン。



(ッ、俺に何買わせようとしてんだババア…!!)

急いで●家に戻り呼び鈴を鳴らした。応答はない。何度か押し、五回ほど押した頃にやっとインターホンが繋がった。

『…はい?』

心底機嫌の悪そうな男の声。◎の父親だった。

「おいジジイ、◎いるか」
『ああ?勝己か?んー…ちと待ってろ』

玄関開く

「いねぇ。靴ねえし学校行ったんだろ。なんか用か?」
「チッ…」



図書室の手前の空き教室。

前からドアを開く勝己


「おい」

ドアを挟んで隙間から呼びかけ目が合う。中に入るようジェスチェー。
一回通り過ぎて後ろのドアから入る◎。


「…どうしたの」



「買いもん」

「おつかい?」




「重いのばっかり…私持ちきれないかも」

「ンなことわかってんだよ」

「二人で行くの?勝己なら持てそうなのに」

「俺に女が使うもん買えってか」

「ん?」



「ああ…」



「あいつらと別れた後で行くわ。お前先行ってろ」

「わかった。待ってるわね」

メモだけ◎に渡して、金は勝己。