メタな話。






(♀夢/英雄学/爆豪勝己)

(※メタな話※)



「私は本当は存在しないのよ」

「あ?」

「勝己には女の子の幼馴染なんていないし、あなたの家族と家ぐるみで付き合いのある家庭なんてない。お父さんもお母さんも、光己ちゃんと勝さんの友達じゃない。はじめからいないから」

「おい、お前何言ってんだ」

「本当のことよ。勝己は一人っ子で、兄妹なんていない。あなたの家に子供はあなただけ」

「訳わかんねえこと言ってんじゃねえ」

「見えてないだけよ。もっと言えば、あなたは純粋な爆豪勝己じゃない。オリジナルに憧れた誰かが作った模造品なの。私たちは誰かが作った希薄な存在なの」

「やめろや!どういうつもりでンなこと言ってやがんだ!」

「さあ、どうしてかしら。ただ言いたくなっただけかもしれないわ。真実を理解していることを、自分に知らせたいのかもしれない」

「そんなん必要ねえだろ」

「そうかしら。大事なことよ。自分が何者かを知ることは」

「俺らが知らなくてもいいことだ」

「でも私は知ってるわ。私は勝己が好き。この気持ちも、誰かの手が止まってしまえばなくなる感情だわ。でもね、私、本当に勝己のことが好きよ」

「やめろっつってんだよ!!」

「全部ないのよ。私たち。私は、すぐにいなくなる。簡単に。でも勝己は沢山いる。



私は勝己の全部が好きだけど、あなたが一番好きよ」