同性愛者の彼の純情。









(♂夢/忍卵/平滝夜叉丸/久々知兵助/現パロ)



ガラスのように綺麗で儚いあの少年は、ホモだ。

そういう認識が男子たちの間にあり、噂がひそひそと囁かれている。だからどうするわけでもない。何でそんな噂が流れたのかもはっきりしない。ただの外見判断かもしれない。きっと言葉遊びを現実と結び合わせて楽しんでいるだけなのだ。ただ、その噂は確証はないのに説得力があって、誰もが○を見て真っ先に浮かべる言葉が『ホモ』だった。


小平太とは従兄の間柄で、その関係で体育委員会を手伝う○。活動には関与していないが、書類など事務仕事は○が手伝っている。いずれは滝夜叉丸に任せなければならないと、事務仕事はたいてい○と滝夜叉丸でまとめて、仕上げの確認は小平太に任せているのが常である。
滝夜叉丸とはそのこともあって交流が深く、はじめは周囲の噂を耳に入れて○とホモをイコールで繋げていた滝夜叉丸だが、○自身が何ら変わり無い普通の少年だと知ってホモの認識は無くなる。学園内で小平太の次に○自身を見ている滝。





美術への関心が強い○。父親が出版企業に勤めており、その関係で展覧会の招待券などを譲り受ける。
休日はおよそ美術展や展覧会へ出かける。
帰り道、同級の久々知兵助と遭遇。ホモ認識はしているものの敬遠はしていないので、空腹もありファーストフード店へ行く二人。
あれやこれやと会話をし、距離を縮める。


「●って話しやすいなぁ。俺の豆腐談義聞いてくれる奴あんまりいないんだ。もっと早く話せばよかった」

「まぁ変な噂あるしね、俺。だから話し掛けてくる奴いないと思うんだけど」

「え…あぁ」

「あ、気にしてないよ?軽度だけど俺、実際女性恐怖症入ってるし」

「そうなのか?なんで?」

「うち母さんが田舎に住んでるんだ。だからかも」

「じゃあ飯とかは?」

「こへ兄のとこで小母さんにご馳走してもらったりしてる。そうじゃないときは自分で作ったり」

「そういえば、七松先輩とは従兄弟なんだよな」


お互いに親しくなり、交友関係になった二人。学校でも話すようになり、一部からはホモカップルと囁かれるようになった。だがお互いに友人だと思っているし、周りもそれ以上の干渉はしないので、特に気にすることもない。
○の落ち着いた空気といつまでも話を聞いてくれる姿勢に兵助は居心地がよくなり、○に懐く。


だが滝夜叉丸はあまり面白い顔をしなかった。今までホモだといっつ近づかなかったのに。
○が離れていく気がして、滝夜叉丸は不安になった。自分の話をずっと聞いてくれるのは○だけなのに。
だけど嫉妬なんて、お門違いにも程がある。滝夜叉丸はそう思ったが、○と兵助が一緒にいるのを見るとそうも言ってられなくなる。

「○先輩、今日は備品調整の打ち合せです」

兵助といるところを見つけると奪うように腕を引いてしまう。○は朗らかにしているが、兵助は快く思っていない顔をした。

「どうしたんだ滝夜叉丸。機嫌悪い?」

「なっ、なんでも、ありません…」

滝夜叉丸の中で、○は優しく、小平太とは違った包容力を持つ兄のような存在なのだ。そのため、一人っ子の滝夜叉丸は○に依存していた。



勘、竹、鉢、雷は兵助がホモじゃないと理解しつつも、なんとなく特別視してるよなぁとは思っている。



以後、兵助とはセクシャルな関係で、滝とはプラトニックな関係を発展させたらいいじゃない。



(主人公ガチホモで、ホモは誤解だと思ってたのにそうじゃなくて動揺する誰かを書きたかったのに反れまくった。だから『同性愛者の彼の純情』なのに、このままじゃ純情少年が滝じゃないか!かき雑ざってる!気が向いたら直します)