君への愛が溢れています
2012/07/01 00:09
□ディエ→ジョニ(現パロ)
ジョニィ・ジョースターには悩みがあった。
同じクラスのディエゴ・ブランドーについてである。
ディエゴとはジョッキー時代からの知り合いで、昔から何かとジョニィに突っかかってくることが多かった。
足を怪我して引退してから一度も会うことはなかったが、高校の入学式でディエゴと再会することになったのだ。
こんな学校入るんじゃあなかった、と悔やんでももう遅い。
その日から変に馴れ馴れしくコミュニケーションをとってくるディエゴにジョニィはうんざりしていた。
朝は10分前に迎えにきて、昼食の時間になれば何故か隣で一緒に弁当を食べているし、ジョニィの好きなおかず(何故知っているのかは分からないが)を作ってきて分けたり、下校時にはジョニィを家まで送りとどけたりする。
親友のジャイロにもオメーDioに惚れられちまったんじゃねえの?と言われる始末。
(冗談じゃない!)
はあ、とため息をつき机に突っ伏す。
「どうした?ジョニィ元気がないな、腹でも痛いのか?」
「………」
噂をすればなんとやら。
ジョニィは本日二度目の大きなため息をついた。
「……悪いんだけど、ぼくちょっと気分が悪いんだ」
一人にしてくれ、と言おうとしたその瞬間、無理矢理横抱きにされる。
「それは大変だ!この俺が保健室まで連れていってやろう」
軽々とジョニィを抱えてディエゴは教室を出ていく。
最早反論する気も起きず、本当に具合が悪くなったような気さえした。
(もうやだ…)
ジョニィは周りの目から逃れるように俯き、早く保健室に着くことだけを願った。
保健室につくと中には誰も居らず、ディエゴがテキパキとジョニィを休ませる準備をした。
すぐに教室に戻るのかと思えば、ジョニィが心配だからもう少し残る、と言われ思わず、え、と声を漏らす。
ジョニィが訝しげに見つめるとディエゴはクスリ、と笑って問いかけた。
「…そういえば君、また痩せたんじゃあないか?」
「………そんなことないと思うけど」
「いいや、確実に1sは減ってる……食事はしっかりとらないと駄目だぜ」
サラ、とジョニィの髪に触れディエゴは言った。
二人きりの密室、目の前にいるいけ好かない男。
ふと、ジャイロに言われたあの一言を思いだし、髪に触れている手を叩いた。
小気味の良い音が部屋に響く。
「……ジョニィ?」
「…ぼくに触れるな…!」
ギッ、と睨むと呆気にとられていたディエゴがククッと喉で笑った。
「…どうしたんだ?急に怒ったりして…」
「…単刀直入に言う、ぼくは君にウンザリしてる!!一体何が目的なんだ?」
「目的…か…強いて言うならば」
そう言いかけてディエゴはジョニィの唇を奪った。
ぐるりと世界が反転する。
「…んッ…?!!」
腕をベッドに押し付けられ身動きが取れなくなる。
ぬるりと舌が入りこむとジョニィはディエゴの唇に噛みついた。
「…ッ!…フフ、俺とのキスはお気に召さなかったかな?」
「…お前ッ…!!!何をするんだ!!」
「俺の目的さ。お前を手にいれること、だ」
ペロ、と舌なめずりをしてディエゴはジョニィを見つめた。
ギラギラとした瞳と目が合いジョニィは身を震わせる。
「…ぼくは君が嫌いだ…世界で一番ね。それだけは今も昔も変わらない」
「その瞳だ…俺が欲しいのは。どんなに不利な状況でも俺への殺意を消さない…欲情するよ…」
「…君は頭がおかしい」
「…そうかもなァ…だがな、ジョニィ。一つだけ覚えておけ」
俺は嫌がられると燃えるタチなんだ、そう耳元で囁きディエゴは保健室から出て行った。
「……ックソッタレ!!!」
ジョニィは閉じたドアへ枕を投げつけると、シーツへと潜りこんだ。
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2ヶ月くらい放置してました。
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