ある夏の日のやりとり
2012/05/06 10:45
□ディエ→ジョニ(現パロ)
「明日、出かけるぞ」
「………は?」
夏休みもあと数週間で終わる、そんな日に目の前の奴…ディエゴ・ブランドーはぼくにそう言った。
こいつはぼくが宿題終わらせてないのを知っていて言ってるのか?
新種の嫌がらせか何かか?
ぼくは出来るだけ不機嫌な声で、宿題まだ終わってないから、ホット・パンツでも誘えば?と言った。
すると奴は慌てて、俺が全部手伝ってやる!と言ってくる。
なんだ?こいつ。
まあ、手伝ってくれること自体はとてもありがたい。
何しろディエゴは学年トップの秀才だ。
…認めたくはないけれど。
「……まあ、それなら考えてもいいかな」
「!!本当か!」
「うん…で、何処に行くつもりなの?ぼくあんまり遠くは嫌だよ?」
「近くだ。車で30分くらいで行ける」
「へえ、車は君が出してくれるんだよね?」
「もちろん、場所は着いてからのお楽しみだ」
どこか自慢気な顔をスルーして、ふうんわかった、と返事をするとジャイロに明日の予定をメールした。
ふとDioの方を見上げると、何だか妙にソワソワしている。
今日の奴はいつも以上に変だ。
じっと見ていると、気づいたDioが、なんだ?と照れたように聞いてきた。
いやいや、それはこっちの台詞だろう、あと頬を染めるな気持ち悪い。
素直に伝えたらちょっと凹んでいた。
何だかんだで楽しみだ。
きっとDioはぼくを退屈させるような所には連れていかないだろうし。
…二人きりっていうのは嫌だけど。
暑さで汗をかいているグラスの氷がカランと音をたて、窓から涼しい風が吹き抜ける。
「…明日晴れるといいね」
Dioは一瞬キョトンとしてから笑ってそうだな、と呟いた。
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連作のつもりだったディエジョニ。
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