・sgmtラッキースケベ夢(のじさん)
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プールサイドトラブル





「ねぇ、なまえさん。本当にそれで行くのぉ…?」
「えー、駄目かな?かわいくない?」
今年の夏こそはと張り切って身体作りに勤しんで来たこともあり思い切って布面積が少ないビキニタイプの水着を買ってみたはいいものの、佐一くんは上も下も紐でリボン結びをして止める防御力の低さを心配しているらしく少し不満げな表情だ。
「いや勿論かわいいけどさ…」
もし万が一紐解けちゃったらどうするの。
眉をこれでもかと言うくらいへにゃりと下げ心配そうにする杉元くんの気遣いを無視し「解けるなんて滅多にないから大丈夫だよ」と笑って流してしまったことを今盛大に後悔している。遡ること数十秒前、キラキラとした瞳の明日子ちゃんに「すっごい楽しかったからなまえもあれに乗って来るといい!一人が不満なら杉元も連れて行け」とウォータースライダーに乗ることを急かされて上へ登りに行った。
結構高い位置から滑るみたいで初めは少し怖かったけど二人乗りで佐一くんと密着して乗れたから不安は半減された。なぜか後ろで佐一くんは素数をずっと数え続けていてもしかして高所恐怖症だったのかなとちょっと心配になったけど。
いざ乗ってしまえばなかなかに楽しいもので普段大人びた雰囲気を纏った明日子さんがあそこまではしゃぐのもわからなくないなと思った。ここまでは良かった、ここまでは。
勢い良く沈み込んだ二人分の重みと速さの大きさを表すようにばしゃん!!と大げさすぎるくらい水飛沫を上げながら着水した瞬間、ふと感じる違和感とともにさっと血の気が引いていった。様子のおかしい私に気付いたのか「なまえさん?」と気遣う声が聞こえる。

「さ、さいちくんちょっとごめん!」
「へっ?ッ!!?」
状況を把握しきれていない佐一くんをよそにぐいぐいと胸を押し付けるように正面から抱き着く。
「あああの、なまえさん!?」
「いきなりごめん、でもね、……の」
「え?」
っ!だから!水着が、取れちゃったの!」
「はぁ!?」
「ばか!声おっきいって!」
大きな声を出したせいで視線がこっちに集まってしまったらどうしてくれるつもりなんだ。既に素肌と素肌が触れ合う感触が居た堪れないというのに、公共の場で不可抗力とはいえ露出狂まがいのことをしているとバレてしまったら羞恥で死にたくなるどころではない。
「ご、ごめん、でも取れちゃったって、」
「…乗ってるうちに解けてきちゃってたみたいで、さっきの衝撃でどっかに流されちゃったっぽい…」
「だからそんな防御力低い水着はやめてっていったのに」
「だって、佐一くんにかわいいって言って欲しかったんだもん…」
「(今泣くのは勘弁してくれ…!)」
胸元を隠すことに必死すぎて、上目遣いに涙目、加えて押し付けられる柔らかな胸の感触に気が気ではない佐一くんの荒れ狂う気持ちにこのときの私は気付けなかった。



「じゃあ、早く探しに行かないと」
身体を話して水着を探しに行こうとする佐一くんに慌てて抱き着く。
「ま、まって!離れたら駄目、おっぱい見えちゃう」
「そ、そっか…!でもずっと抱き着かれんのはちょっと、俺も限界があるって言うか…(生乳の感触が生々しすぎて、)」

「んぁっ、!」
「!?」
「あ、あんまり動かないで…!」
少し体勢を変えようと身動ぎされると佐一くんの逞しくて筋肉質な腹筋と乳首が擦れてしまって少し感じてしまう。こんなことでいやらしい気持ちになってしまっている自分が恥ずかしくておでこを胸板に擦り寄せ、火照る顔を悟られないように俯かせる
「3.141592653…」
「(今度は円周率…?)でもこのまま動かずにじっとしてる訳にも行かないし…どうしよう」
「…なまえさん俺にしがみついて抱き着くこと出来る?」
「え?う、うん」
「首に手をまわして。うん、そう。あと落ちないように脚も腰に掛けて」
「こ、この体勢だいぶ恥ずかしいんだけど…!」
「(いかん、自分でやらせといてなんだけど、なんか色々想像してしまって爆発しそうだ)俺も恥ずかしいからちょっと我慢してね、」
俺が代わりに探すから、なまえさんは胸が見えないように抱きついてることだけ考えてくれればいいから。そう呟いてからの佐一くんの動きは凄まじかった。水の中で早く歩くのはかなりの労力がいるはずなのに、人一人抱き抱えてるとは思えないほどすいすい進んでいった。
「ふぁ、っ!ぁん…」
激しい水の流れと大きく揺れる身体の動きに振り落とされないように強く抱きついた拍子に自分の胸の飾りと佐一くんのが擦れあってしまい、不意に襲って来るこりゅこりゅした感触が甘い痺れをもたらす。
「ん、ごめんさいちく、ッ!」
「ッくそ、…っ!」
耐えるようにはぁ、と甘い溜息をつきながら首に回す手の力を強める。

「あ!」
ばしゃばしゃと水を掻き分けて歩みを進める。上げて見せた歓喜の声から予想するにお目当てのものがようやく見つかったらしい。
「あったよなまえさん、」という声を聞き届けほっと安堵の息を小さく溢す。

「まだ離しちゃだめだよ、」
支えるようにお尻の下に腕を添えたと思えば勢いよくプールから上がって見せた。水中の浮力の手助けがなくても軽々と抱き上げてしまう佐一くんの男らしさに胸をときめかせていると少し離れた場所から明日子さんと白石くんの声が聞こえた。
「なまえはどうしたんだ?」
「体調悪くなっちゃったみたいだからちょっと救護室まで行ってくる」
不思議そうな顔した明日子さんをよそに、白石くんにだけ「明日子さんのことは頼んだぞ」、と短く伝え返事も聞かぬまま歩みを進める。半ば駆け込むように入ったのは救護室ではなくシャワー室で。誰もいないことを確認してからカーテンを閉められる。勢い良く立てられた音が彼の苛立ちを表しているようだった。
カーテンを閉めると同時に噛み付くようなキスを落とされ息が詰まる。
「まってさいちく、!んぅっ、」
「待てねぇ。ちゃんとここまで我慢したんだ、もういいだろ?」
主張するそれを太腿に擦り付けられ思わず身体がビクついてしまう。
「や!押し付けないでよ…」
「さっきまでこれを押し付けながら人前でやらしく喘いでた子はどこのどいつだっけ?」
「ぁん!」
耳元でじっとりと囁かれながらきゅっと乳首をつまみ上げられてしまい甲高い声が漏れる。
「…やっぱり、この水着でよかったかもな」
「え?」
脱がす手間が省けていいかも。そう言いながら股関節の両脇に飾られたリボン結びの紐をするりと解き、今度は舌を貪るような激しいキスを交わされた。


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