2010/05/05

4.5にしようとしてた没のやつ


たなごころの傷を見ると、深くはないが、小さくえぐれ、そこから血が流れていた。手に穴ぼこがたくさんできたみたいで、気持ち悪かった。じゅぐりじゅぐり、と傷が脈打つような感覚。あ、いたいな。包帯をもらおうと、マーサーさんに言ったら、すぐに医者を手配をしてくれた。医者に傷口に薬を塗られ、包帯を巻かれていく。いたい、薬が染みる。一日おきに薬を塗って、包帯を変えること、と医者に薬をもらいながら言われ、頷く。マーサーさんがそのことを彼に伝えたからか、ベケットが来ていた。ベケットは医者に治療代を払うと、部屋の外まで見送った。私は、ただぼうと机の上に置いた血がへばり付いている薔薇を眺めていた。また、あの花瓶に挿しとこうかしら。机に影が覆う。影の主を見ると、それはベケットで。彼は薔薇に触れ、棘に気をつけながら目の高さまで上げる。


「薔薇の棘で怪我をしたのか?」
「はい…、ごめんなさい」


薔薇を見ている目は私を責めているようで、いたたまれなくなって俯いた。何よりも利益を追求する彼にお金を払わせてしまったのだ。マーサーくん、鋏を。と彼はマーサーさんに言うとそのまま薔薇を持ち去ってしまった。

そして、私の寝室の机に棘がなくなった薔薇が置かれていた。私はそっと薔薇に触れる。棘もないから痛くなかった。
また花瓶に挿すから、意味ないのにね。



紅茶が予想以上に優しくなってしまった^q^^q^
さて、今回の更新したやつは無理矢理感が否めないですが、前にも言ったように紅茶に言わせたかった台詞の一つを書けたので勝手に喜んでます。次からやっとメイン(?)の林檎が登場です。だけど、会ってからのネタはいっぱいあるのに、会う経緯が思い付かないorz




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