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GINTOKI SIDE:4

俺たち万事屋は、大概まとまりも協調性もない集団だと思う。特に神楽なんかホント手に負えないガキだし、マジで勘弁して欲しい。
が、今回俺たちの前に現れた自称世界の救世主は、そんな俺たちに負けず劣らずゴーイングマイウェイを素で行く人間の集まりだった。ピカチュウとかいう可愛い生き物とか、さりげなく周りを見てない天使ピットとか、妙に口の悪い子供――ネスだったか――とか。

そして極めつけは、あの蒼い兄ちゃん…マルスだ。

「すまん、マルスが逃げた」

スネークが少しも悪びれる様子もなく縁側からそう声を上げた時、俺は切にそう思った。逃げるって、なに?俺たちに説明をしてくれてる時は、だいぶまともな奴だと思ったのに!
理由を聞けば、“暇だから”だとか。…マジでか。
しかもロイたちの「またか…」という反応を見るに、今回が初めてのことではないらしい。
――常習犯かよ。

「ちょ…それっていいんですか?」

新八が至極まっとうな質問を寄越す。ロイは頭を抱えた。

「いい訳ないよ…チクショーあの馬鹿、迷子になったって知らねぇぞ」

「ま、迷子!?せっかく皆が集まったのに…」

リュカという金髪の男の子が不安げな声を上げる。妙に庇護欲の駆り立てられるその様子に、俺はやや動揺してしまい、おろおろとどもりながら言った。

「あー…その、なんだ。心配すんな。すぐに俺が連れ戻してやっから」

「私も行くアル!」

「話がややこしくなるからお前は酢昆布でもかじって留守番してろ!」

神楽が付いて来ようとするので、即座にその出鼻をくじいておく。理由は先に言った通り。にしても色々と面倒くせぇことこの上ない。
おずおずと俺の付き添いを申し出たロイをお供にして、俺は再び江戸の街へと繰り出したのだった。

「なんというか…本当にすいません…」

しょぼんと頂垂れるロイは、道すがらずっと謝り通しだった。それには笑って応え、なんのいいってことよ気にすんなと首を振る。――そうでもしなきゃ、ロイは今にも往来で土下座でもしそうな雰囲気だった。

「俺たちの仲間は、一人でいればそれなりに役に立つんですけど、大勢が集まると“他の奴がやるからいいや”みたいな気持ちになっちゃうみたいで…まったく収拾が付かなくなるんです」

「それは…なんつーか…アレだな」

フォローのしようがない。

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