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GINTOKI SIDE:3

ロイの時も思ったが、この自称異世界からの訪問者は、大層謙虚だ。こんな見知らぬ世界に来て、不安でしょうがないはずなのに、周りに手助けを要請しない。
或いは圧倒的な自信の表れかもしれないが。

正直に言えば、殺すとか殺されるとか、メンドクセーことこの上ないが――新八と神楽が縋るような目でこちらを見てくるし、我らが日本には素晴らしい諺があったりする。

「なぁに、“乗り掛かった船”だろ。ここまで話聞いたんだから、こうなりゃ万事屋銀ちゃん、最後までお付き合いしてやるよ」

ぱぁ、と神楽と新八の表情が晴れる。ロイと目が合うと、彼は困ったような、安心したような表情で笑った。
が、真選組の方はそうもいかないらしかった。副長サンが小難しい顔で首を振る。

「生憎だが、俺たちはそうもいかねぇ。本来なら、政府高官を狙うとかほざく時点でお前らをとっ捕まえなきゃならねぇ立場なんだ」

「え、そうなんですか」

素っ頓狂な声を上げてピットが俺を見た。俺は仕方なく頷いてやる。

「真選組は、いわばケーサツみてぇなもんだ。政府高官でなくとも、殺す殺さないって話してるだけで不味いだろ」

「そういうことだ。だが、お前らの話も一概に嘘だとは言い切れねぇ…だから、俺たちは今回の件には不干渉だ。手伝いもしねぇが、邪魔はしねぇ」

副長サンはぴしりと言い切る。が、隣のドS隊長は不服そうだった。

「土方さん、こいつら見逃すってんですかい」

「今回だけは非常事態だ。だが次に会ったらとっ捕まえるからな」

副長サンは黄色いやつ――ピカチュウを睨む。が、やっぱりピカチュウは愛玩動物のようなつぶらな瞳を細めて笑った。

『あはは、心配要らないよ。ボクたちは“普通のヒト”に捕まるようなヘマしないから』

――こいつ、可愛い顔してものっそい毒吐いた。

副長サンとドS隊長がブチ切れて抜刀しようとするのを山崎が懸命に止めている。ピカチュウは『ボク何か悪いこと言った?』と首を傾げ、ロイが隅の方で頭を抱えていた。

またまたいい具合に場の収拾が着かなくなって来た頃、それは風に乗ってやってきた。

「…あれ?なんかサイレンの音しないか?」

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