日記53(覚醒マルルキ)

支援C
ルキナ「あ、あの!あなたは英雄王マルス様とお見受けします!」
マルス「…ああ、まぁそういう風に呼ぶ人もいるね。君は?」
ルキナ「ルキナといいます。嗚呼、まさか本物の英雄王にお会い出来るなんて…感激です!」
マルス「いや、そんな大層なものじゃないよ、僕は」
ルキナ「いえ!あなたは栄光の象徴、勝利の体現。あなたの名に民は希望を見出します。僭越ながら、私もその強さにあやかって、あなたの名を騙ったことがありました…お許し下さい」
マルス「勿論構わないけど…僕は君が想像するような英傑ではないよ。幻滅させてしまっただろうね」
ルキナ「滅相もない!マルス様は神話に聞く通りの優れたお方です。もし宜しければ、またこのようにお話して頂けませんか?もっともっと、英雄王のお話が聞きたいのです」
マルス「えっと、まぁ、うん。勿論話すのは構わないよ。でもルキナ、僕は…」
ルキナ「本当ですか?ありがとうございます!!私、楽しみにしていますね!では、今日は失礼します」
マルス「あ………。行ってしまった。…参ったな…」

支援B
ルキナ「それでは、このファルシオンは、かつて闇の魔道士ガーネフの手に?」
マルス「そうだよ。取り戻すのにすごく苦労したんだ」
ルキナ「それでもマルス様は偉業を成し遂げられたのですね!暗黒戦争も英雄戦争も、全て神話の通りにマルス様のご活躍で平和へと導かれたのですね」
マルス「…ルキナ、それは違うよ」
ルキナ「?しかし、マルス様が暗黒の竜を討ったのでしょう」
マルス「確かに、メディウスにとどめを刺したのは僕だし、ハーディンを討ったのも僕だ。でも、僕は一人でこれらを成した訳じゃ決してない」
ルキナ「マルス様…」
マルス「僕はね、一人ではきっと何も出来ないよ。みんなに支えられて初めて何かが出来るのさ。だからね、英雄王と呼ばれるのは少し…いや、かなり不本意なんだ。そう呼ばれるのが、なんだかおこがましいというか…違和感がある」
ルキナ「………」
マルス「…ルキナ?」
ルキナ「あ…いえ、すみません。そう、ですよね。私ったら、マルス様にお会い出来て、少し舞い上がっていました。………、ごめんなさい…!」
マルス「あ!ルキナ、待って……」
(ルキナ走り去る)
マルス「………」

支援A
ルキナ「たぁッ!やっ!…くっ、よりによって一人のときに屍兵に襲われるなんて…!」
ルキナ「!!しまっ………!」
マルス「ルキナ!」
暗転
マルス「はぁ、はぁ…良かった、間に合って。怪我はないかい?」
ルキナ「はい…。あの、ありがとうございます。でも、どうしてこんなところに?」
マルス「君を探していたんだ。この前から、元気がなかったようだから」
ルキナ「え?…そんなことは…」
マルス「クロムたちから聞いたよ。君は、破滅を迎える未来からやってきたんだってね」
ルキナ「!………はい」
マルス「大切なものを何もかも失って、ぼろぼろになりながら、それでも絶望の未来を変える為に、過去へとやってきた…」
ルキナ「………」
マルス「希望の潰えた未来で、君が縋れるのは神話の英雄王の名だけだった。それほど君は、僕を信じてくれていたんだね。それなのに…僕は、無神経にも君が信じていたその英雄王の名を踏みにじってしまったんだ。すまない、ルキナ…」
ルキナ「マ、マルス様…!謝らないで下さい!私が勝手な幻想を抱いて、それをあなたに押し付けていただけです!」
マルス「…それで、いいんだよ」
ルキナ「え…?」
マルス「君は十分絶望しきった。だから君には何かに縋る権利がある。そして僕は、…仮にも英雄王と呼ばれた者として、君の期待に応える義務があった」
ルキナ「マルス様…」
マルス「もうすっかり僕に幻滅してしまったことだろう。でも、もしまだ間に合うのなら、再び僕に期待して欲しい。その時は、きっと君に応えるから」
ルキナ「……はい…!」

支援S
ルキナ「マルス様、少しいいですか」
マルス「やぁ、ルキナ。いいとも」
ルキナ「マルス様は、この戦いが終わったらどうなされるのですか?」
マルス「うーん…考えてなかったな。ルキナはどうするんだい?」
ルキナ「…私は…いえ、実は私も考えていません」
マルス「未来の世界には帰らないのかい?」
ルキナ「…勿論、帰りたいです。でも…時空の扉は非常に不安定で、来ることが出来ても、必ず帰れる訳ではありません…」
マルス「…そうか」
ルキナ「…マルス様…こんなことを言うのは…あなたに迷惑をかけるだけと分かっているのですが…どうしても、言っておきたいことがあります…」
マルス「?何かな」
ルキナ「例え、未来の世界に帰れたとしても、私はそうしないでしょう。…あなたが、この世界にいるから」
マルス「…ルキナ…」
ルキナ「マルス様、お慕いしております。叶うのならば、ずっとそばに置いて頂きたいです」
マルス「……ありがとう、ルキナ。そう言ってもらえて、とても嬉しいよ。…ルキナ、僕からもいいかい?」
ルキナ「え?あ、はい」
マルス「僕も、君を愛している。そばにいて欲しい。君を守りたい。…僕は、この世界の人間ではないけれど、それでも構わないかい?」
ルキナ「えっ…それって…あの、あの…!……はい、喜んで…!」



クロム「どうしてこうなった!?」

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