「いい加減我が配下に下る気になったか、ナマエ・ミョウジ」

真っ直ぐ杖を此方にむけながら、闇の帝王は言った。

『残念ながら、そのつもりは微塵もない。お前を絶対をここから通さない』

この先には、リリーやジェイムズ、そして二人のまだ幼い息子ハリーがいる。
どうして秘密の守り人が破られたのか分からない、まさかシリウスに何かあったのではとナマエの脳裏を嫌な予感が過った。

「気になるか?ポッター家の秘密の守り人をしていた男のことが」
『……っ』

その心さえも見透かしたように笑うヴォルデモートに、フィンは唇を噛み締める。

「その男なら、お前が想像した通りにした……とでも言っておこうか」
『ヴォルデモート、貴様!』

その言葉に、我を忘れて激情に委せて杖を振るおうとする。
自分ではまともに戦ったってヴォルデモートに勝てる訳ない、なんて分かっている。
でも今しがた発された言葉を否定したくて、冷静な気持ちになんてなれなくて。
だが、闇の帝王の方が僅かに動きが早かった。

「このヴォルデモート卿に傅かなかったことを、死をもって後悔するといい」
その瞬間、緑の光線が視界一杯に広がった。
……嗚呼、私は死ぬのか。
そして、私の意識はそこで途絶えた。






―――イタリア某所
古くからの伝統と格式を持ったマフィアがあった。
名を、ボンゴレファミリーという。
その本部にある応接室、黒張りの一目見て高級だと分かるソファーにアルバス・ダンブルドアは座っていた。
その向かいには、ススキ色の髪のまだ少年の面差しが残る、しかし年齢的には幾分前に成人を迎えた青年が座っていた。
彼の名は、沢田綱吉。
まだ二十代中頃でありながら、巨大マフィア、ボンゴレファミリーボスである。

「お会いするのは初めてですかのう」
「えぇ、四年前に手紙はいただきましたが直に話すのは」

彼女を拾ってから約一年、漸く彼女がボンゴレでの生活に慣れた頃。
いきなり梟によって届けられた手紙に驚いた記憶は、今でも忘れない。

「でもまさか、簡単に信じてもらえるとは思っていなかったのじゃがの」
「勘ですよ、これは本当だと」

ボンゴレ歴代ボスに受け継がれる特殊な力、超直感。
最初手紙を受け取った時は質の悪い悪戯かと一瞬思ったが、すぐに超直感がそれを打ち消した。

「まさか、魔法使いなんてものが存在しているとは思いませんでしたよ」

作り物のおとぎ話、しかもこと小さな少女がそうだと。
ファミリーの中には、すぐには信じられぬ者もいた、例えば怪奇やら、摩訶不思議なものが苦手な自分の右腕の嵐の守護者。
だがそれはやはり真実だった。
彼女に、ナマエにそのことを聞けば少し思い悩んだ表情をした後、肯定の意を示した(六才の身なりなのに実年齢が自分より上だというのは、さすがに驚いた)

「ミスター・サワダ、貴方にナマエを保護していただけて本当に良かったと思っておる」
「いいえ、もしかしたらこれは」

運命だったのかもしれない。

「九月からホグワーツに通うということで、よろしいでしょうかな?」
「えぇ、それが彼女が望むことなら」

本当は二度と彼女を殺す世界に行かせたくないのも事実。

「こう見えて俺、結構親バカなんですよ」









「ロンドンまで、学用品を買いに行く?」

その提案に目の前のツナさんよりも、近くで本を読んでいた骸さんの目が大きくつり上がった。

『魔法使いに必要な学用品は、ロンドンに行かないと買いにいけないの』
「だからといって、一人で行くなんて許しません!」

ちょっとすぐそこまでお使いに行くのとは違うんですよ、と一歩も引く気がない骸さん。
そんなことを言われても困る、ダイアゴン横町に行くためには今のところ飛行機でロンドンに行き、漏れ鍋からというルートしかないのだ。
本当だったら煙突飛行ネットワークにこの家の暖炉を加入させてしまえば手っ取り早かったのだが、周りにそれを出来る大人がいない、自分でするわけにもいかない。
この前ダンブルドアが来た日にやっておいてくれるよう頼めば良かったのに!と思うが、後の祭りだ。
手紙を出そうにも、現在手元に梟はいない。

「それなら、ムクロウがいます」
「お前それ、匣」

結局骸さんの匣である梟(通称ムクロウ)にダンブルドアへの手紙を届けてもらい無事に煙突飛行が出来るようになった(元々は武器らしく、配達という用途に使えたことに皆驚いていた)

『本当に、ついてこないでいいからね!』

私だって中身はもう三十代だし、見た目も十一歳だ、付き添いなんて恥ずかしい。
ダンブルドアからの手紙によると私がダイアゴン横町に行く日は、ハグリットも用事があって行くということで一緒に行くことになったのだ(私の事は、ダンブルドアを通じて既に知っている)
今だに一人旅なんて危ない、と言っている骸さんは無視して私はダンブルドアから届けられた煙突飛行粉を一掴みし、暖炉に投げ入れてエメラルド色の炎に飛び込んだ。








後書き

やってしまった\(^Д^)/
自分の中でちょっとしたハリポタブームがきて、普通に書くだけでは面白くないので、リボーンと混ぜてみました。
話の大まかな流れとしては、ヴォルデモートに殺される(親世代)→ボンゴレに拾われる→再びホグワーツへ(子世代)みたいな感じですね。
どういう訳かイギリスからイタリアに飛んで、しかも死んでから五年後の世界で
、自分も六歳の姿に縮んでいるという…
ボンゴレの守護者さん達はボスを筆頭に、皆親バカだといいと思う。