ポケモンセンターには預けている間トレーナーが時間を潰せるようにテレビは勿論、色々な雑誌が並んでいる。
その中に「トーホク地方特集」と書かれたものを見つけ、何の気なしにパラパラと捲っていると、ラッキーと会話をし終えたNが隣に座った。

「トーホク地方……初めて聞くね」
『結構マイナーな地方だからね、ジョウト・カントーとシンオウの間に位置してるんだけど。今度行ってみたいなって思って』

シンオウ程ではないがトーホクも結構寒い。
だからホウエンの温暖な地域だったり、都会っ子は比較的行くのを躊躇ってしまうのかもしれない。
するとトーホクの色々な観光名所や、各町のジムについての説明が書かれている中で「トーホクでのみ発見された新たなピカチュウの進化形」と書かれたページを見つけた。
現在判明されているピカチュウの進化形は雷の石によるライチュウのみ。
三年程前にウツギ博士がピチューを発見するまではピカチュウ→ライチュウの進化しか解明されていなかったのだ。
ピカチュウと共に各地を旅している私としては非常に気になる新たな進化形の存在。
少しばかり緊張しながらそのページを捲った。
そしてそのページに載せられている写真に絶句した。

「これは、中々すごいピカチュウだね」

Nが感嘆して言ったがこちらとしてはもはや呆然というものである。
そこにいたのは現在の愛くるしいピカチュウの姿とは似ても似つかない、マッチョなピカチュウだったのだ。

『その名も……ゴリチュウ』

名前を読み上げる声が震えた。
悪夢だ、絶対連れて歩きたいとは思えない。
Nに言わせれば見た目でそんなことを言ってはいけないのだろうけど、言わせてもらおうこれは酷い。
しかも高さが二メートル近くあるとか洒落にならない。
雑誌によると、ピカチュウからゴリチュウに進化するにはトーホク地方で懐き状態が最大になる必要がある。
何年も一緒に旅をしているのだ、疑いもなく今私のピカチュウは懐き度マックスといえるだろう。

『トーホクに行く時は、定期的にカンポーあげようかな』

絶対に、と固く心に誓った。






>>改造ポケモンベガネタ。
実際はアルタイルとかでホウエンでもありうるんですけどね。
少しおかしいところもあるかもしれませんが捏造ということで。
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -