ロケット団。
ポケモンを使って世界制服するという理念の下、他人からポケモンを強奪したりあまつさえは殺したり、巨大企業シルフカンパニーやラジオ塔を乗っとるという悪行に悪行を重ねたポケモンマフィアである。
ボスのサカキを筆頭に全盛を奮っていたものの、五年前にレッドという一人の少年(後に伝説のトレーナーと呼ばれる)に壊滅させられ解散。
当時の幹部を中心に二年前水面下で活動していたが、リンらによって壊滅に追い込まれ完全に消滅したと聞いていた。

「つまり、もう存在しない筈の組織なんだね」
『当時の幹部達は皆再結成を諦めた、他にあれほどの集団を纏め上げるカリスマを持った人物なんていなかった』
「しかし実際彼等は目的を持って動いている」

男が失神してすぐ、船内放送にてこの船はロケット団によって乗っとられたと告げられた。
奴らが一体何をする気かは皆目見当がつかないが、ろくなことではないと断言出来る。
船頭多くして船山に登るとか言うけど、統率者なしに組織は形を成すことは出来ない。
ならこの船ジャックも現場指揮官を叩けば解放することが可能だろう。

『私はこれからロケット団を蹴散らしにいくけど、どうする?』
「乗り掛かった船だから僕も付き合うよ。トモダチを悪行に利用するのは聞き捨てならないしね」

いや、最初に巻き込まれたのは完全にこっちだから。

『つかぬことを聞くけど、N現在手持ちのポケモンは?』
「嫌だな、僕がトモダチをモンスターボールに閉じ込めるなんて無粋な真似をするわけないじゃないか。勿論いないよ」

まさかこいつ素手で突っ込むつもりだったのか。
確かにNのポケモンと心を通わせる力を持ってすれば、ロケット団のポケモンに直接説得するという荒業も可能かもしれないが、それはあまりにもリスクが高い。
一緒に行動してもらうというのも考えられるが、彼のトレーナーとしての実力を考えれば効率が悪い。

『…分かった、私のサーナイトを貸す。ロケット団の手持ちにはどくやノーマルタイプが多いからエスパーで問題ないと思う。もしあくがいたら十万ボルトも覚えてるから』

Nを頼むねとサーナイトに言えば、サーナイトは了承したと頷いた。
サーナイトの方もいきなり自分に嬉しそうに話しかけてきた人間、ということで驚いていたもののNに悪い感情はないようだ。



『さてと、悪者退治といきますか』









≫サーナイトは♂
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