010
耳元に響く、断末魔。
死に行く人間、その他の、最後、いや、最期の、
「…………」
目覚ましの音だった。
「…なにが…『ぶっ殺せ』、だっつの…」
大絶叫、もとい大音量の目覚ましに起こされ思わず呟く。
今にして思えば、何かを呟く事で自分の『存在』を確認したかったのかもしれない。
デイリー
今朝は最高に夢見が悪い。
化粧のノリも悪い。
機嫌も最高に、悪い。
「あら綾瀬ちゃん、もう一時間目始まってるくらいの時間じゃない?遅刻するならいっそサボればいいのに〜今日はママとドライブしましょ」
ママの誘いを断って、重い腰を上げて学校に向かう。
危うく峠攻めに付き合わされる所だった(ポリに言い訳が面倒)。
というか、存外真面目だから何だかんだ週2で学校には行くし。
多分。
今日は学校で何をしよう。
多分昼寝かも。いやPSPか。それとも…
この日常が、数時間後にどうにかなるとか。
知らない、まだ。
「おはようございまーす」
「…おはよう…って、もうちょいで三時間目終わるけど」
担任(しつこいから見た目だけ覚えた)に遅刻の理由を問われ、しばらく考えた。
「…断末魔に目覚まされて、峠の暴走ドライブから回避して今日は学校でどうサボろうか考えてました」
これが、あたしの日常なのであった。
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