「ふぁぁぁ、あふ、」
「おーおーでっけぇ欠伸だなぁ。死体を処理してるとは到底思えねぇ」
「だってこんな深夜に仕事なんて……はぁぁ」
「おいおい、こっちにまで移るだろうが、ふぁ……」
「うっ!?ホルマジオ!手離さないでよぉ〜〜〜!重たッ!」
「悪ィ悪ィ」
「……よいしょっ、と!もうこれで終わりかな?」
「そうだな。とっとと帰って寝るか」
「夜は大分涼しくなったもんねぇ。眠りやすいからかな?眠くて仕方ないよ」
「お前はいつでも眠そうな顔してるけどな」
「失礼だな〜。私がジト目なのは概ねリーダーのせいだよ」
「はあ?」
「私に風呂ばっか沸かせる」
「ハッハッハッ!そりゃあお前のスタンドの最良の使い方だな」
「今さっき、ターゲットの血液が沸騰するの見たところなのにそういうこと言うー!!」
「暗殺なのに脳味噌ぶちまけるなっつーんだよ」
「うっ……ごめんなさい……」
「お前の能力、本当に暗殺に向かねぇのになぁ。リーダーも暗殺の仕事なんざさせてよォ、しょうがねぇなぁ」
「私に向いてる仕事って何?」
「風呂焚きだろうな。リーダーはよく解ってる」
「もう!!もう!!」
「なんだ?牛か?小せえ牛だなぁ。ローストして食っちまうぞ」
「ホルマジオが言うと冗談に聞こえないんだよなぁ」
「ん?別の意味で食われてぇのか?」
「違います〜〜〜お断りです〜〜〜」
「まぁそう言うなよ。俺の胸はあったけぇぜ」
「はぁ?痛ッ!?ちょ、今リトル・フィート使ったでしょ!」
「お兄さんの言うこと聞いてな」
「うわ、うわー!マジで縮んできた!怖い!ひぇ、アリスの世界じゃん!!ぎゃー!!虫!!」
「ほらよっ!」
「ふぎゃっ!……ねぇホルマジオ、ポケットに噛み終わったガム入ってんだけど……」
「おー悪ィ悪ィ。消臭剤代わりだ」
「え、何?私の部屋ってこと?」
「寝るには丁度良いだろ?」
「丁度良いか?」
「どのみち二人は乗れねぇからよ。そこでおとなしく寝てな」
「乗る?って何が?」
「オイ!遅ぇぞ!!」
「え?ギアッチョ?」
「この俺を迎えに遣わせやがってよォ……ホルマジオだけか?アイツはどうしたァ?」
「ここ!!ここ!!ギアッチョ!!ここ!!」
「な、んだァ?オメー……そんなところで何してんだよ。南くんの恋人ごっこかァ?」
「今時の子は誰も知らないよ、そのネタ」
「つーか誰が誰の恋人だよ!?ア"ア?許さねぇぞ、俺はよォーッ!」
「自分で言って自分でキレてる……こわ……え?こわ……」
「お前らそれくらいにしとけ。しょうがねぇなぁ。ギアッチョ、早く車出せよ」
「シートベルト、締めろって毎回言っとるだろーがッ!危ねぇぞ!!」
「ギャングがシートベルト気にするんだ」
「人乗せてるんだから当たり前だろーが、ボケ!」
「はいはい、締めましたよっと。オラ、オメーは早く寝ちまえ。着いたら解除してやるからよ」
「ええ、こんなミント臭いポケットの中で眠れるかなぁ……」
「Buona notte,Sogno d'oro」
「……とか言っといて、おやすみ3秒かよ」
「ククッ!しょうがねぇマンモーナだなぁ」
「……着いたら俺がそいつを運ぶ」
「ああ。……俺が小さくなるよりこっちの方がお前にとって良かったと思うぜ、俺はよォ」
「チッ!」
製氷機と瞬間湯沸し器 その6
君の寝顔は運転に支障をきたす
2019/09/01〜2019/09/30
お月様におやすみなさい