「ヒデェ格好だな」

「色気の欠片もないね」

「……んあ?ソルベ?ジェラート?なに?」

「なんで下穿いてねぇんだ?」

「パンツは穿いてるよぉ」

「そこまでするならいっそのこと全部脱げ」

「女の子の下着見てこんなにムラッとしないの初めてだよ、オレ」

「じゃあなんでくっついてくるの……暑いからヤメテ……」

「今年もか。制限できねぇのはツラいな」

「ん……。このスタンド厄介過ぎる。暑くてかなわない」

「だからってアジトのソファでTシャツにパンツ姿で寝てるのは流石にマズくない?」

「タオルケット掛けといたもん」

「落ちてちゃ意味ない。暑くて蹴り飛ばしたな」

「ん……ソルベの手、なんか冷やっこいね?」

「今ジェラート食べてきたからな」

「いいなぁ。私もジェラート食べたい……」

「なぁに?呼んだ?」

「甘くて冷たい、食べられる方のジェラートだよ」

「オレじゃん」

「うわっ!?えっ!?ジェラートの口唇も冷たいね!?」

「ヴァニッリャの香りがしただろ〜?」

「うん。二人とも冷やっこくて気持ちいい〜!」

「……今のはちょっとキたな」

「……うん。キたね」

「何が?ってオイ!近いな!!」

「甘くて冷たいのが欲しいんだろ?」

「ソルベもジェラートも甘くて冷たいよ?」

「……あっあ〜〜〜……そういう?え?今のでスイッチ入った感じ?」

「ソルベとジェラート、どっちが良いんだ?」

「それとも両方かな?それだとオレたちも嬉しいな」

「いやいやいや!遠慮するよ!!てゆーか二人とももう手も口唇も冷たくないし、暑いから離れて欲しいなーッ!?」

「……もっと暑くしてやろうか?」

「ギャーッ!!ソルベのスケベ!!」

「じゃあオレにする?ヴァニッリャみたいにとろけさせてあげるよ?」

「ヒィィ!!ジェラートのセクシャルハラスメント!!」

「……何やってんだァッ!?ゴル"ァ"!!」

「よォ、ギアッチョ。何って見りゃ解るだろ」

「ギアッチョ、おかえりー。お前も混ざる?」

「混ざるわけねぇだろ!!退きやがれ!!」

「男の嫉妬は見苦しいぜ、ギアッチョ」

「そーそー!誘われたのオレたちの方だぜ?」

「あ"あ"!?」

「誘ってない誘ってない!!」

「……いいねぇ、涼しくなってきたじゃあねぇか」

「W・Aの冷気サイコーだな」

「あっもしかしてそれでわざと私にちょっかい出したんでしょー!?ギアッチョ怒らせて冷やさせる為に!!」

「珍しく察しがいいな」

「うちのクーラーぶっ壊れちゃってさぁ」

「……冷やすどころか凍らせてやんよ……ッ!!」

「行け!!ギアッチョ、キミに決めた!!」

「オレをポケモンみたいに呼ぶんじゃあねぇぇぇぇ!!お前も凍りてぇのかァァ!?」




「……ところでよォ、オメーなんつー格好してんだよ……女だろ、一応……」

「パンツは穿いてるよぉ」

「当たり前だボケェッ!!冷やしてやるから、いい加減下穿けよ」

「あ〜〜〜〜涼しい〜〜〜。これだよ、これ……。は〜〜〜私、もうホワイトアルバムと結婚する……」

「……お前から誘ったっつーのがよく解るぜ……」




製氷機と瞬間湯沸し器 その5

色気皆無で無防備の癖に天然タラシでたちが悪い。




2019/08/01〜2019/08/31


僕と結婚してください



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