「暑い〜！暑いよ〜！」
「言うな。余計に暑い」
「ギアッチョはWA使えば涼しいじゃん！」
「そうやってオレをクーラー代わりにしようとする魂胆見え見えなんだよ」
「夏はヒヤヒヤ冬はぬくぬくで羨ましいー！」
「お前も冬はぬくぬくだろーが」
「あれは別に体温がそうなってるだけで、フツーに寒いよ」
「服着れば？」
「ポリシーに反する」
「いや、今の話してんだけど。いつまでTシャツ一枚で寝っ転がってやがる。つーかそのシャツ、オレのじゃあねぇか？捨てたはずだが？」
「ギアッチョが着なくなったお古のTシャツ、部屋着に最適」
「人が出したゴミを拾うな、着るな」
「わ、わー！脱がせないでよ、エッチ！さっきと言ってる事がちが、」
「オイ」
「なによぅ」
「アイツにつけられた傷って何処だ」
「アイツ？」
「ミスタだよ。グイード・ミスタ」
「あ〜……んと、お腹のこことここ。それとここだったかな」
「クソッ！意外と撃たれてんな」
「ボスにパーツ作ってもらったお陰で跡も残ってないし痛みももうないよ」
「そんなん残ってたら、今頃ミスタは生きてねぇ」
「それにあの時私よりギアッチョの方が撃たれてたし、喉だって、」
「それこそもう何ともねぇよ。あの時、お前がスタンドで氷を溶かしてなかったらヤバかったがな」
「見直した？」
「そんな余裕ねぇよ。お前が病院のベッドでアホ面で爆睡してるの見て、大したやつだなとは思ったが」
「アホ面なんてしてないもん！ギアッチョだって寝る時歯ぎしり凄く煩いんだからね！」
「歯ぎしりはみんなするだろーが」
「しない！！！！」
「プロシュートはするぞ」
「うわ、だからあんな歯並びなんじゃん……」
「歯並びの事は言ってやるな」
「……ねぇ〜さっきっから擽ったいんだけど。もう何ともないってば」
「だから言っただろ。服着ろってよ」
「ッダーーーッ！！！！すぐそうやって！！離れて！！暑いんだから！！」
「じゃあ服を着ろや！！！！下着が見えねぇやつ！！」
「この格好が一番涼しいのに」
「いっそ水着でも着てれば？」
「水着？持ってない」
「なんで」
「なんでって、そんな真顔で言われても。今まで着る機会なかったしなぁ」
「ふぅん」
「でも別に傷が残ってる訳でもないし、泳ぐのも嫌いじゃあないよ」
「それじゃあよォ、今年は泳ぎに行こうぜ」
「ギアッチョ、パラソル持ってくれる？」
「いいぜ」
「レンタルうきわも一番大きくてかわいいやつがいい」
「うきわだぁ？ったく、しょうがねぇな」
「わーい！水着買いに行こっと」
製氷機と瞬間湯沸かし器 その28
但し、僕限定で。
2021/07/02〜2021/07/31
君なら傷つけてもいい