「あっ!アバッキオさん……!」

「……ア"ァ?」

「ひっ!あ、う……ボ、Buongiorno……」

「……あぁ……リゾットのとこの……。悪い、今日眼がよく見えてねぇんだ」

「えっ!?だ、大丈夫ですか……?怪我とか?」

「そんなんじゃあねぇよ。コンタクトの処方が切れてな……眼鏡掛けてくる訳にもいかねぇだろ(もし乱闘になったら危ねェから)」

「……アバッキオさんの眼鏡姿とか、死人が出るのでは?」

「ハァ?」

「街の女性たちが卒倒しちゃいますよ!色気ヤバ〜」

「ああ……そっちか……」

「あんまり興味なさげですね?」

「ギャングが一般人の女にモテてもしょうがねぇだろ」

「うちのチームの野郎どもに聞かせてやりたい。特にイルーゾォ」

「……(どいつだ?)うちはブチャラティが女侍らすような男じゃあねぇしな……不特定多数にモテても好きな女にモテなきゃ意味ねぇだろ……」

「やだ……アバッキオさん……モールトベッロじゃん……!モテるのが分かる……」

「お前、彼氏いんだろ。そういう事、冗談でも他の男に言うもんじゃあねぇ」

「うっ……お兄ちゃんみがスゴい……。兄なんていた事ないけど」

「お前、何にも考えて喋ってねぇな」

「でも好きな女にモテなきゃ意味ないって言うって事は、もしかしてアバッキオさん今片想い中とか?」

「……ハァ……(ブチャラティが中々鋭いって言ってた意味が分かったぜ)」

「あっ!はぐらかした!」

「うるせぇ。お前、いつまでついてくる気だ?」

「え、だって眼が見えないって言うから本部まで送っていってあげようと思って……。手、引こうか?」

「バカ。そんな事しなくていい」

「好きな人に勘違いされたら困るから?」

「そんなヤツいねぇし、オレとお前を見て何か勘違いするヤツもいねぇだろ。……ああ、お前の彼氏の話か?」

「ギアッチョは……まぁ……相手が誰であっても騒ぐ所あるから……」

「動物園か?」

「それはウケる。アバッキオさんってもっと近寄りがたい人かと思ってたけど、意外とちゃんと会話してくれるね。育ち良いでしょ」

「……それは馬鹿にしてんのか」

「まさか!褒めてるんだよ。うちのメンバーは、会話成り立たないから……みんな自分の話しかしないし」

「苦労してんだな。ただでさえ、女ひとりで色々と大変だろ」

「そうなんですよ〜!!さすが!!話が分かる!!」

「うるせぇ、突然デカイ声出すな」

「だってアイツら、私の事なんて女扱いしないもん……!シャワー中だって平気で入ってくるしサニタリーボックスだって撤去されるし……」

「……マジかよ……。それは随分と……だな」

「……うっ……うーッ!」

「ハアアアア!?泣くな、バカ!!情緒不安定か、テメー!?オレが泣かせたみてぇだろーが!──あそこでジェラート買ってやるから、泣き止めって!」





製氷機と瞬間湯沸かし器 その27

こう見えて面倒見が良い。

2021/06/01〜2021/07/02


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