「オイ!オイ!いるのは解ってんだよ!早く開けろ、テメー!」

「煩いな!借金取りみたいにドアを殴るんじゃあないよ!」

「邪魔するぞ」

「え、え?何その荷物?え?待って、勝手に上がらないで」

「彼氏が彼女の部屋に入ったらダメなのかよ?浮気か?殺す」

「憶測で決めつけといて殺意を向けるな。本当に彼氏のすることかな?」

「へぇ……それなりに綺麗にしてんだな」

「それなりにとは?」

「住むのには十分だっつー意味」

「住む?誰が?」

「オレ」

「……ここに?」

「おう」

「何で!?!?!?!?!?!?!?!?」

「オレんちの風呂場の水道がぶっ壊れて、慌ててホワイトアルバムで凍らせたら今度は配管が折れて更に水浸しになった」

「意外とギアッチョってバカだよね」

「ムカつく女だな……」

「それじゃあ修理が済むまでウチにいるの?」

「まぁな……3週間くれぇだろ。世話になるぜ」

「何でウチなの?メローネのとことかに行けばいいのに」

「何で仕事でもねぇのによりにもよってメローネと一緒にいなきゃなんねぇんだよ」

「そんな嫌だったの?」

「嫌ッつーか一緒に住める相手ではねぇだろ」

「……まぁ、確かに」

「お前がいるんだから男のとこにわざわざ行くこともねぇだろーが」

「ふぅん?」

「何だよ、その顔」

「意外とギアッチョって可愛いよね」

「ムカつく女だな……」

「赤くなられた顔で言われても怖くないなー!そこの部屋、空いてるから使っていいよ。ベッドはないけど」

「構わん。寝袋がある」

「この際ベッド買う?ジョジョに言えば何とか買ってもらえるかも!」

「要らねぇ」

「床痛いよ?」

「他の男が買ったベッドなんかで寝れるか、バカが」

「……何、どうしたの。今日は照れたり嫉妬したり……デレ期?」

「煩ェ女だなァ!浮かれてんだよ、悪いか!」

「い、いや……悪くないよ……うん」

「……お前はどうなんだよ?オレがいたら嫌なんか?」

「嫌、じゃあない」

「なら、いいだろ」

「ギアッチョがウチにいることみんなは知ってるの?」

「リゾットだけには言った」

「そうなんだ」

「今までそんな気にもしなかったけどよォ、リゾットのヤツ、お前に過保護すぎるよな?」

「まぁ……女だからじゃん?何か言われたの?」

「……」

「何よ、その顔……気になるから言ってよ」

「……言っとくがオレがリゾットに何か言ったとかねェし、言えって言ったのはテメーだかんな。知らねーぞ、オレは」

「解ったってば。で?何?」

「……あー……“避妊は必ずしろ”だとよ」

「……は??????????????」

「アイツ、バカだろ……」

「バカ野郎だ!!!!!!!!!!!!」



製氷機と瞬間湯沸し器 その16

始まったばかりの同居生活は既に波乱


2020/07/01〜2020/08/01


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