「エルサ!」

『誰が雪の女王じゃクソ女!!!!!』

「雪だるま作〜〜〜ろ〜〜〜!!ドアを開けて〜〜〜!!一緒に遊ぼう〜〜〜!!」

『あっちいけ!!毎回毎回同じことしやがって!!』

「……ギアッチョの部屋の前で何してるんだい?」

「ほら!オラフもいるよ!!」

「えっ」

『ペッシじゃあねぇか!!プロシュートに枯らされるぞお前!』

「こういうの大好き!」

『メローネ〜〜〜メローネよォ〜〜〜!!一番デ○ズニーから遠いヤツが言うか〜〜〜!?!?』

「俺ほど似合うヤツいないだろ」

『頭沸いとんのか!!レリゴー!』

「ありの〜ままの〜姿見せるのよ〜!」

『歌うんじゃあねぇぇぇぇぇぇぇ!!せめてイタリア語で言え!』

「自分だって英語で“レリゴー”って言ったくせに」

D'ora in poi lascerò che il cuore mi guidi in po',(いまから私は少し意のままに生きる 好きにするわ)

「あっメローネが歌うんだ」

「ほら、ペッシも歌え」

「え、ええ?……あー……scorderò quel che so e da oggi cambierò(これまでのことは忘れて、今日から私は変わるわ)!」

「二人とも無駄に美声だね」

Resto qui, non andrò più via(私はここにいる、どこにもいかない)〜」

『マジでどっか行ってくれ』

「ところでさぁ、この歌詞の中にghiaccioって出てくるじゃん」

「唐突だな。最後まで歌わせてくれ。sono sola ormai(いまや私はひとりぼっち)〜」

「でさぁ改めて聞くとめちゃくちゃ“チョッ”って言ってるじゃん?」

「無視か」

「そういう発音だってのは分かる。スゲー分かるんだけど、めちゃくちゃ耳に残らない?」

「それはギアッチョを意識してるからじゃあないのかい?」

「ペッシ、ダウト!」

「ダウトの使い方違うだろ」

「ね、聞いてみてよ!ディ・モールトghiaccioなんだってば」

「ディ・モールトghiaccioってなんだよ言い方だろ」

「Il ghiaccio〜のところよ!」

「だから言い方」

「Ghiaccio」

「もう言いたいだけだろ、キミ」

「──お前ら……さっきからごちゃごちゃと部屋の前でよくも……」

「あっ出てきた!」

「お望み通り一緒に遊んでやるよ。ただしテメーだけだ」

「あっ!?」

da oggi il freddo è casa mia.(今日からこの氷の城が俺の家だ)

バタン。

「……あーらら」

「ナニコレ」




製氷機と瞬間湯沸し器 その9

全員美声

2019/12/01〜2020/01/06


凍った瞳で愛してよ



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