「あれ?お店閉まってる」

「ああ、忘れとったな……Ognissanti(諸聖人の日)か」

「え〜……お昼どうする?アジト戻る?」

「いや、何もねぇだろ。あー……うち来るか?」

「ギアッチョの家?」

「おー」

「ギアッチョってアジトに住んでるんじゃあないの?」

「とっくの昔に出てる」

「へぇ。知らなかった」

「で?」

「ん?」

「来んのかよ」

「行く行く!」

「……オメー危機感ねぇのな」

「……ギアッチョが誘ったんじゃん」

「そういうつもりじゃあねぇ」

「私もそういうつもりで行くんじゃないもん」

「そーかよ」

「そーだよ」

「そういうつもりだったらどうしたんだよ」

「そういうつもりでも行ってたよ」

「……お前、俺のことめっちゃ好きだろ」

「……ギアッチョこそ私のこと大好きじゃん」

「真似すんなよ」

「そっちこそ」

「素直じゃねぇ女だなぁ……!」

「ギアッチョだけには言われたくないね!」

「んだとォ!ここだ俺んち!どうぞ!入りやがれ!」

「何よォ!意外!それは清潔!お邪魔します!」

「待っとけ」

「手伝うよ」

「自分の料理下手を忘れたか!?」

「失礼な!」

「いいから。適当に座ってろ。Siediti(座れ)!」

「人を犬扱いするな。これでも彼女でしょうが」

「ポ○モン扱いしといて何言ってやがる」

「まだ根に持ってたの」




「……美味いかよ」

「……まぁまぁかな」

「全部食べといてよく言うぜ」

「お腹空いてたの!」

「……まだ鍋にあるぜ」

「……食べる」





製氷機と瞬間湯沸し器 その8

恋人としての距離感が解らない二人


2019/11/01〜2019/11/30


心の声とは正反対ね



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