甘楽ちゃんとドタチン

 



仕事休みに携帯を開くと新着メールが2通。遊馬崎は見当がついていたとして、あと一通は誰だろう。メールの画面を開くと『臨也』の文字。
あいつがメールしてくるなんて珍しいな、と思いメール画面を開いた。

『今どこにいるの?』

まるで恋人のような内容に悪い予感がして携帯を閉じようとする。けど、今日の日付を思い出して俺はメールを返した。

『工事の仕事中だ』

短く返してお昼ご飯をいただく。と、これたま恋人のように臨也からの返信がはやい。

『じゃあ今からいくね』
『おい』

そしてメールをブチられた。
今からって、俺午後からも仕事あるんだが。それにあいつ俺の仕事場知ってるのか?、とまぁそこは悩む必要はないか。
とりあえずあいつがくると工事の邪魔になってしまうので俺は午後から休むことにした。





「ドッタチーン!久しぶり、会いたかったよ!」
「ドタチンって呼ぶのやめろっていってるだろ…あぁ、まぁ、久しぶりだな」

工事現場にこられたら迷惑なので、待ち合わせ場所は西口公園にした。
ハイテンションでかけよってくる臨也に呆れながら笑う。

「ね、ドタチン!プレゼントちょーだい!」
「言うと思ったよ。まったくお前はいい歳して…」
「何年たっても誕生日は祝われていいんですよ、って帝人くんが言ってたから遠慮しないことにしたんだよねぇ」

頂戴、と堂々しく手を差し出してきた。こいつがメールしてきたときからなんとなく予想していたことだから西口公園に向かう途中にコンビニ寄って一応こいつに一番必要なものを買ってきたので、それを渡す。

「ほら」
「さすがドタチン!愛してる!」
「そうか」

高校のときから言われなれた愛してるを軽く流す。
コンビニのビニール袋ごと渡すとその中身を見てか、臨也は心底驚いた顔をした。

「ドタチン…お母さんみたい」

栄養ドリンクに、缶コーヒーとコンビニデザートのショートケーキ。
一応臨也がいつも飲んでるやつと、甘すぎないものを買ってきたんだが、嫌だっただろうか。

そしてその感想はなんだ。

「なんだそれ、」
「だって見事に俺の好きなものばっか!やっぱりドタチン愛してるよ!」

思い切り抱きつかれるがそれもまぁ、高校時代で慣れたことなので撫でてやる。
しかしここは屋内ではないので人目がある、のですぐ引き剥がす。恥ずかしいからな。

おあっ、と変な声をだす臨也におめでとう、というと素直にありがとうと返ってくる。

そして俺はこのあと遊馬崎たちと約束があるので臨也とさよならした。
そろそろ静雄の勤務時間だから気を付けろよと言って去ると嫌悪の顔をした臨也がもう帰るから大丈夫!と手をふった。

しかし前方に静雄を発見。
はたして無事に新宿に辿り着けるのだろうか…。




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