情報屋と闇医者
さて、暇潰しに池袋にきたのはいいとして次は何処へ向かうか。
帝人くんとさよならしてから数分間適当にふらついているがまったく行く宛がない。
よしそうだ久しぶりにドタチンにでも会いに行こう。
ドタチンなら俺の誕生日覚えていてくれているだろうし、プレゼントをたかりに行こう。
丁度歩いてるのと同じ方向だし。
と、行き先を決めて一歩を踏み出すと壁ができた。
見知らぬ3人が俺の前に壁を作って道をふさぐ。面倒くさいことになりそうだから無視して回り道をするとジャケットのフードを捕まれた。
「よお情報屋」
「やぁ誰かさん今日もいい天気だね、じゃーね」
「待てよ情報屋。それはねーだろ?実をいうとさぁ俺たちこの間のお礼しに来たんだよね。ありがたく受け取ってくれや」
なんとドンピシャ。俺今日誕生日なんだよね。
まあ自分の情報を公開するわけないし無言でナイフを取り出すよね。
そしたらあっちはスタンガンと使い古された鉄のバット。
静ちゃんの腕力になれてるからといってあの化け物のようにそんな丈夫な体作りはしていない。ははは。
だからその場を離れるためにダッシュするがあっちも俺の行動を読んでいたのだろうか、すぐに追いかけてくる。
これはドタチンに会う前に新羅に会う事になりそうだ。
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「君は誕生日くらい大人しくしていられないのかい?」
「俺だって好きでやられたんじゃない、いてっ」
傷だらけになった。
そして新羅のマンションに行くと首無しライダーは外出中のようでいつもよりは怒っていないようだった。
いつもは私たちの邪魔をしてやらなんやら煩いからな。ちょうどいい。
「もういい大人なんだからさぁ…静かに生活しなよ」
「新羅にはいわれたくないね」
「失礼だな僕は毎日セルティとラブラブしながら静かに生活してるよ」
「…はっ──いてて、っ!痛いよ新羅!馬鹿じゃないの!」
「消毒液ぶっかけてもいいんだよ?」
「……、ごめんなさい」
消毒液が大量に入った容器をちらつかせて片手にコットンを持つ新羅は宛ら魔王のようだ。
「はい、完了」
「一応ありがとう、いくら?」
「あのね臨也、セルティ以外はゴミに見えるからといって今日歳をとるご老人からお金はとらないよ」
「……それはお優しいことで」
だしかけていた財布をしまうとため息ついた。
と、いうかそんなことよりさぁ。
「なんで俺の誕生日覚えてんの?」
「さぁ?」
にこりと笑いな救急箱をしまう。
気色悪いなぁと笑顔をひきつりながらジャケットを羽織った。
それじゃあね、と部屋を出る。
そして今度こそドタチンのところへ向かおうと足を運ぶ。
いつもの癖でジャケットのポケットに手を突っ込むと何かが入っていた。
「…やっぱり今日の新羅は気色悪いなぁ」
消毒液の瓶とガーゼを手に俺は小さく笑った。
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