R15 | ナノ




R15
※えろはないのですが、表現が下品なので、苦手な方はリターンをお願いします。
ジュリアデ←紅葉とか、すきなんです。


ほぼ男所帯での生活の中で、アーデルハイトという発育の良い中学三年生は、ファミリーにとっては蜜でもあり、毒にもなっていた。

ジュリーとしては、彼女自身に理解してもらいたいことがあった。
それは、シモンファミリーにとっては『仲間』である前に、『女』であるということ。
そして、加藤ジュリーの恋人であるということも、シモンファミリーの皆に理解して頂きたいところだった。
以上の事は、日頃から切に願っていることでもある。

幼い頃は、男女の垣根などはなかった。女の子の胸なんてぺったんこだったし、いや、違う。
その頃からアーデルハイトの胸の膨らみはそこいらの女子とは異なっていた。
中学三年ともなれば心も体も大人へと変化するお年頃。
昨晩も、家事がやりやすいからと言ってミニスカに谷間の思い切り開いたパーカー姿で民宿をうろついていた。
彼女は困らないだろうが、ジュリーを含めた男子達はいつものことながら目のやり場に困っていた。

流石に、手を出すものなどはいないが『女』を意識して、良からぬ妄想をした男がジュリー以外に一人。
ふああっと大きな欠伸をしたジュリーは、目の前を横切る紅葉を視線で追った。向かう先は同じ、洗面所。
大事そうに両腕に抱えているのは、男物の下着だった。
眠気眼で捕えた下着が、これから待ち受ける運命を粗方理解すると僅かに口端を釣り上げた。同じ男だから、紅葉の生理的現象も理解できるし、責め立てるつもりはまるでない。
ただ、気になることがあった。
少し遅れて洗面所に入ると、紅葉の行動を壁を背もたれにして両腕を組んで、生ぬるい視線送りつつ眺めた。
冷たい水で下着を洗う紅葉の表情は真剣そのもの。鏡越しに明白に窺えた。
必死さゆえに、背後にいるジュリーにも気付いていない。


「オメー、またアーデルでオナった訳?」
満を持してはなった言葉は、お下品極まりない。
『アーデル』、『オナった』という言葉に眼鏡をずり下げて、ビクリと反応した紅葉は恐る恐る後ろを振り返った。
互いに眼鏡、ゆえに、心地いい朝日が反射して眩しくて目を瞑った。相手など確認しなくても、ずんといつも以上に低い声から主を特定できた。
厄介な奴に見られたものだ、紅葉は心の中で思った。そして、咄嗟に出た声は裏返っていて自分でも間抜けだと感じるほどに。
「ち、違う。」
「ハァア?じゃあ、マス掻いてたってか?」
「違う!」
言い方を変えただけで、同じことだろう。ずり下がった眼鏡を上げて、紅葉は心の中でつっこんだ。


正確には、オナニーなんぞをしていた訳ではなくて、夢精。だから、二度目は強気で否定してやった。ある種似たようなことだけれども。

昨晩、うっかりアーデルハイトのパンチラを目に焼き付けてしまったが最後。オナニーしたい気持ちを抑えて、悶々とした気持ちで眠ったせいで夢精してしまった。
ムチムチの脚を開いて、己を誘ってくるアーデルハイトを無下にすることなんて出来ない。
あの豊満な、ぷるんぷるんのおっぱいで誘われては、たまらない。
だから、彼女が満足するまで何回も何回も、射精した。

結局、夢の中でだが。

いいではないか、夢の中でくらい彼女を想っても。実際に触れているわけでもないし、触れられる訳でもないのだから。
「結局!夢精しただけだ!」
ジュリーのどぎつい視線に耐えられず、馬鹿正直に叫んだ。
「まあ、なんでもいいけど、アーデルを想ってだろ。」
「それは、結局!そうだ。」
「オカズにするくらいなら……気持ちわかるしィ。一万歩譲って、許してやっけど、手ェ出したらオレちんゆるさねーよ?」
正直すぎる言葉と、痛いくらいわかる気持ちに睨みつけるのは勘弁してやるとにっこり笑って牽制を一つ。
危険な芽は早めに摘んでおけ。本能からの指令を瞬く間に実行。

つられて浮かべた紅葉の笑みは引き攣っていた。
寝癖を軽く直して洗面所を出ていくジュリーの背中に視線を向けた。聞かずとも、向かう先は分かった。
はあっと盛大なため息をついて、洗いかけの下着に手を伸ばして、洗い流したのは自己嫌悪をジュリーへの羨望。



出しっぱなしの水道の蛇口を止めて、ジュリーが向かったのはアーデルハイトの元。
制服にエプロン纏って、大所帯の朝食を作る後ろ姿に迷わず抱きついた。
「おはよ。」
「ちょっと!ジュリー、みんながくるわ。離れて。」
不意打ちの様に抱きしめられると、恥ずかしそうに頬を染めていやいやと首を横に振った。
「わーってるっての。もーちょっとだけ。」
夢の中で抱かなくても、アーデルハイトは自分だけのモノ。

触れることさえ叶わない『仲間』等ではなくて、一番近くにいる存在である。

たぷんと揺れる乳房を、思いのままに揉みしだいた。

リアルな彼女に触れられることに、多大なる優越感に浸った。


2011/11/25