発情スイッチON(クラサメ×エミナ) | ナノ




発情スイッチON(クラサメ×エミナ)

そろそろ落ち着いてもいいお年頃だとは、分かっている。
大人なんだから、恋人にいちゃいちゃべたべたとするのは如何なものかと。
分かっているエミナだが、クラサメにべったりと甘えることは止められなかった。
堅物彼氏からのスキンシップは薄いので、自分から絡み付かないと彼は動いてはくれない。
逢瀬の場所は、使っていない教室で。
無口で生真面目なクラサメを誘ってみると思いの外、良い返事を貰えた。

「クラサメくーん。会いたくて我慢できなかったよ。」
扉が開くのを待って、見えたクラサメの表情にほっと安堵してぎゅうっと甘える様に抱きついてみた。
未だ執務中なのだからと、拒まれるかと思ったものの見上げたクラサメの表情は普段通り。
「エミナ、未だ仕事中だ。」
と、言う割には胸板に身体を預けるエミナを拒否する素振りを見せない。
あっさりと受け入れてしまっては、体裁が悪いために一応一言付け加えておいた。
プライベートの時間まで、あと数時間は残っている。しかし、可愛らしい恋人からのお誘いを断ることなど出来ない。
お断りするつもりがなかったと言った方が、正しい。

「そうだネ。ごめんなさい。」
しゅんとした表情で遠慮がちに見上げて、クラサメの胸板に手をついて大きな胸を離して、そのままそろりと離れようとした。

が、逞しい腕が腰に回るとまた胸板に引き戻された。
「離れてくれ、とは言っていない。」
ぬくもりが離れていくのが名残惜しいクラサメは、目を伏せて呟いた。
「そんな事言ってると、お言葉に甘えちゃうんだから。」
口端を嬉しそうに綻ばすと、招かれたつい胸板に頬ずりをして改めて抱きついた。
ぎゅうっと抱きしめられて、それだけでエミナは満足していた。折角だからと、べったり引っ付いて甘えることにした。

エミナの柔らかい匂いと感触が、クラサメをじんわりと惑わす。すり寄られたり、大きな胸をぎゅうぎゅうと押し付けられたり、指先でツウっと胸板に触れられたりしたら――。

誘っている自覚は有るのか無いのか。どちらにせよ、クラサメはしっかりちゃっかり欲情していた。

二人の雰囲気が、艶やかに揺らめいて男の指が、女のぷくりと膨らんだ唇に這う。
「クラサメくん、えっちな目になってる。」
熱を孕んだ雄の視線にエミナは、気恥ずかしくなって視線を逸らした。
「そうさせたのは、エミナだ。」

廊下から聞こえてくるのは、零組の生徒たちの笑い声。
聞こえぬ振りをして、発情を抑えることなくクラサメはエミナの唇を奪った。


続きは、R18textにて。

2012/01/04