可愛いあのこにいじわるを(シン紅、シャルヤム/ギャグ文) |
男だらけで開かれるのは、今宵も可愛い嫁自慢。 シンドバッドとシャルルカンの惚気話を聞くのは、ジャーファルとマスルールだった。 恋愛事にまるで興味のない二人は、これでもかという程に惚気話をする二人を黙って見つめていた。 今宵の議題は、ささやかな意地悪について。 執務の疲れからは、ジャーファルはうとうとしつつ耳を傾ける。一方、マスルールは、食べることに夢中になって話に耳を傾けるつもりはなかった。 先方、七海の覇王。 「俺の姫君は、兎に角、可愛い。寝起きに、悪戯するのが俺の密かな楽しみでな。かわいいんだ」 俺の話を聞いてくれ、と身振り手振りをして話し始める。 相当に酔っているので、軽く説明するとこういうことなのだ。 ―――ある朝の一コマ(シンドバッド×紅玉)――― 激しく愛し合った夜の紅玉は、裸のままシンドバッドの厚い胸板に抱きしめられて一晩を過ごす。 前夜の行為が激し過ぎるのか、達するとそのまま眠っていた。 先に目を覚ますのは、決まってシンドバッドだった。 すやすやと眠る紅玉の寝顔を眺めて、三十路間近の男は鼻の下を伸ばしてにやついていた。 シンドバッドに寝顔を見られているとも露知らず。 無防備な寝顔。 「んぅー、んー、よくねたぁ。あ……」 暫くして、紅玉は目覚める。心地のいい温もりにはっとなれば、隣にはシンドバッド。 慣れないこの距離感に照れくさそうに頬を染めて、両手で胸板を押して距離を取っていた。 「おはよう、姫君」 離れていく紅玉を逃がすまいと、シンドバッドは抱きしめる力を強めた。 「あ、おはよ、ございます。ち、ちかすぎますわぁ!」 朝から、いちゃいちゃべたべたされて幸せなのだが、シンドバッドの胸板が目に入るとふるふると首を振って顔を背ける。 「姫君にくっついていないと、だめなビョーキにかかっているんだ、俺は!」 何言っちゃってんの、と、突っ込みたくなるようなことも平然と言ってのけるシンドバッドにつける薬など最早無い。 「そ、そうなのですね。シンドバッド様、いつごろからそんなご病気に……」 真っ直ぐに見つめられると、素直な紅玉は信じ切って眉を下げてシンドバッドを見つめる。 信じる紅玉も、紅玉なのだが。 おろおろとするその姿が可愛らしくて、込み上げる笑み、そのにやけを奥歯で噛み締めて、紅玉に擦りついた。 「あ、あの、でも、お召し物を……。裸はだめですわ」 裸で、頬やら首筋に甘いキスを送られると紅玉の背はぞくぞくと震える。 昨晩を思い出して、下肢も疼く。 濃い痕の上に、唇を寄せて更に色濃く所有印を残した。 下腹部から込み上げるのは、昨夜以上の熱。 たっぷりと出された白濁液が、ツゥーと押し出される感覚に内股をすり寄せた。 「裸は嫌か。昨日は、あんなにいやらしいことを言って俺を求めて来たくせに」 「あ、う……、そ、そんな、シンドバッド様が、いっぱいするから……」 「俺だけのせいか?あんないやらしい言葉は、紅玉に教えてなかったが……、元からいやらしい子なのに、裸を見るのが恥ずかしいなんてことはないよな?」 シンドバッドは、紅玉の右手を取って手首にキスを一つ落として、詰め寄る。 困り果てる紅玉に、シンドバッドの口角は上がってこの状況を楽しんでいた。 昨晩の卑猥なセリフを吐いた己を思い出して、紅玉はうるうると瞳を潤ませていた。 「うう……、いじわるぅ」 「ああ、意地悪で結構」 涙目でそういわれることに悦びを感じる、七海の覇王。 下半身は、間違いなく元気になっていた。 最近、はまっている朝の悪戯。 「と、いうわけなんだ、俺の姫君は裸で散々いやらしいこと、えげつないことをしても、兎に角、朝になって俺の裸を見ると顔を真っ赤にするんだ。そこが可愛くて可愛くて(以下省略)」 早くヤムライハの話をしたくてたまらないシャルルカンは、待ちきれないとシンドバッドの声の上に言葉を乗せて話し始めた。 ――――ある朝の一コマ(シャルルカン×ヤムライハ)―――― ヤムライハは、意地っ張りなんだ。とてつもなく、意地っ張り。 けれども、シャルルカンはそんな彼女が大好きだった。 激しく絡んだ夜なのだが、シャルルカンもヤムライハも朝起きてしまえば体力も性欲もリセットされてしまう。 若いから、だけでもなくて、お互い心もカラダも相性ばっちりだからというのもある。 今朝、先にまどろみから抜けたのはシャルルカンだった。 起きるや否や、たっぷりと愛撫をくれた唇を指でなぞって下唇を食む。 ちゅく、と水音が響いたすぐ後にヤムライハは目を覚まして、陽に当たる白銀に目を細めた。 「ぎょーぎ、悪いわよ。おはよ、でしょ」 目覚めたと同時に、唇を貪るシャルルカンを目で威嚇して白銀を撫でつつ掠れた声音で零した。 「挨拶より、キスのが先だな」 行儀の悪い大型犬は赤い舌を出して、ぷっくりと膨らむ唇を舐めた。 「だーめ、おはよう、は?」 そういわれると、ヤムライハも引き下がらずに続ける。 「セックスの後、な」 朝の挨拶よりも、身体を重ねて愛し合う事の方が大事だとシャルルカンは舌を咥内に押し込んでくちゅくちゅと音を立てて貪る。 ねっとり、いやらしく絡み付く舌が気持ちよくてヤムライハの息も荒くなって、豊満な乳房が上下に揺れた。 男の太い指が腹をなぞって、恥部へと向かう。 「やっ、シャル、だぁめ!」 朝から盛りのついた大型犬の指は、遠慮しにヤムライハの身体を侵食した。 「なんで。お前だってヤリてえだろ。お互い、性欲強いんだから」 待てが出来ないシャルルカンの指は、ヤムライハの陰核をこりこりとなぞる。唇を離して、耳たぶを舐めて、低い声で囁く。 その囁きが脳髄まで響いて、ヤムライハの下肢がずくと疼いた。 膣肉が、男の肉棒を受け入れる準備を始める。 「や、あんたと一緒にしないでよ」 「一緒だって。もうぐっしょぐしょになってんじゃねえか」 シャルルカンの指は、ヤムライハのびしょびしょの膣口を指でなぞる。数回、なぞった後に太い指を押し込んだ。 指を押し込むと、膣がきゅううっと締まって指に絡み付く。 口では何と言っても、身体は正直なのだ。求められていると知ると、シャルルカンは無性に嬉しくなった。 生暖かい胎内は、奥から汁が垂れてそこはもう、既に熟れていた。 「ちが、それは、昨日、あんたが出したヤツよ」 首を横に振って、両手で顔を覆うヤムライハは違うと必死に否定する。 隙間から見える頬が赤くて、シャルルカンはぞくぞくと震えた。 「ふーん、やめていいのか」 じゅくじゅくの内壁を優しく擦った後に、わざと荒々しく指を抜き差しする。 ヤムライハは、腹の底からの快楽に悶えた。 「〜〜〜っ!」 「俺もう、勃ってんだけど」 半勃ちの肉棒を、内股に擦り付けて誘う。 ヤムライハから、欲しいという言葉を聞くまで素股で我慢する。つもりだ。 「!や、しらない!」 「欲しくねえの?昨日は、あんだけスキスキいって腰揺らしてたのに。指じゃものたんねえだろ?」 ヤムライハの内股に、シャルルカンの汁濡れの亀頭がぐじゅぐじゅと音を立てて擦りつけられる。 男の太い指が増えて、膣内をずるずると掻き廻していた。 「ほ、欲しくないわよ」 本音を隠して、きゅうっと唇を噛み締めるとヤムライハは強がった。 「ざーんねん。んじゃ、自分でヌく」 ここからが、面白いのだ。 ヤムライハの求める心を知っていたシャルルカンだったが、愛液でびっしょり濡れた己の指を眺めるて、先走りで濡れた竿に纏わりつけるように握りこむと上下に扱いていく。 響くのは、粘着音で、誘うのは、癖になってしまう濃い雄の匂い。 勃起した陰茎が、びくびくと震えると、ヤムライハの下肢は疼いて疼いて仕方が無かった。 「あ、や、やだ、ずるい、シャル。それ、……」 気持ちよくなるのなら、自分の胎内で。その思いから出た。 ヤムライハはシャルルカンの自慰から目が離せず、出た言葉に己の口を手で覆った。 「俺のいらねえんだろ?」 強弱付けて陰茎を揉みこむシャルルカン。ヤムライハは、勃起した肉棒を胎内に招きたくて、内股をすり寄せていた。 昨日みたいに、たくさん愛してほしいと奥から愛液が垂れる。 ヤムライハの声が聞こえないので、再度続けた。 「必要、ねえんだよな?」 先端はぐっしょりと濡れて血管の浮き上がる肉棒に、暫し魅入って、昨晩の衝撃を思い出して膣が疼いた。 欲しいという気持ちを抑えきれないヤムライハは、悔しそうにシャルルカンを見つめた。 「も、いじわる、欲しくて仕方ないって知ってるのに、っ、シャルの欲しい。それ、欲しいの。奥まで、ちょーだい」 悔しそうな、羞恥にまみれたその瞳が大好きだ。 シャルルカンは、ヤムライハのプライドを捨てて己を求めるその表情が愛しくて仕方が無かった。 毎朝繰り返されるのは、愛情たっぷりの悪戯。 「俺の、紅玉 ヤムライハは、可愛いだろ!」 拳を握って、嫁自慢をする二人にマスルールは適当に頷いた。 マスルールはお腹いっぱいになって、ジャーファルはついには顔を突っ伏して眠っていた。 油で濡れた指をペロリ舐めて、ふと見上げるとまだまだ物足りないといった様な顔をしている。 「ごちそーさんです。おかわりは、いらないっスから、帰っていいですか?」 「もう一ラウンド、聞いてもらおうか」 夜が明けるまで、否、朝になっても二人は可愛いあのこの話を続けていた。 - - - - - - - - - - 2013/02/24 |