毎日どきどきしてます(クラサメ×エミナ) カーテンの隙間から漏れる朝陽にクラサメの片眉はピクリと反応を示して、覚醒への準備を始める。 目を開けるのは、待っていた。柔らかい声が聞こえてくるまで。 足音が近づく音と、ドアが開くと同時に乗ってきたのは甘い花の匂いと笑い声。 続く鼻歌には、狸寝入りも持ちそうには無かった。 ベッドが軋む音が聞こえて、クラサメの頬にはエミナの手が触れる。 すうと息を吸ったエミナは、耳元で囁いた。 「クラサメ君、朝よ?起きないとちゅーしちゃうよ」 と、言いつつもエミナの唇はクラサメの頬に触れる。 じれったく目を開けずにいると、胸板にはむにゅうっと柔らかい感触。 目を閉じたまま、無意識にその身体を抱きしめた。 「おはよ」 クラサメの低くくすぐったい朝一番の声に、エミナは声を出して笑った。 「おはよう。朝食出来てるよー」 目覚めるとすぐに、沸いてきたのは、食欲よりも、性欲だ。 朝食よりも先に欲しいのは、甘えてくる恋人。クラサメとて、成年男子。 今朝は感触が違う。毎日触れ合っているものだから、すぐに分かった。 腰回りや、尻や、豊満すぎる乳房に手を伸ばして指先を食い込ませるように揉みしだいた。 乳首の感触が、やけにリアル。 「……エミナ、まさかとは思うがノーブラか?」 薄い上着からつぷと浮き上がる乳首を引っ張りつつ、真顔で問いかける。 「んっ、あ……ぅ。バレた?そーだよー。どきどきしちゃう?」 器用な愛撫に、エミナから甘い声が漏れる。 暑いから、だとか、そんな安易な理由ではなくて。毎日ふれあっているクラサメに飽きられぬようにと一工夫。 常に自分だけを見てほしくて、刺激を与えたかったから。 「こんなことしなくても……、毎日どきどきしているがな」 そんなことをされなくても、想いが枯れることないと暗喩を乗せて呟いた。 エミナの憂いも吹き飛ばすくらいの甘い言葉に、エミナの頬は緩んで強く抱きついた。 「クラサメ君、だいすき」 互に優しい感情に呑まれて幸せを感じつつ、二人は朝から身体を重ねた。 2012/07/30 |