【女体化ミケ】


殺風景な部屋。ベッドの上という定位置に赤い箱を持ったミケはいた。だから、下着にシャツ1枚も違う。上下着ろ馬鹿。

既に持ってるところからするとガキ共の誰かから貰ったに違いねぇ。エレンか?なら更に納得がいかない。リヴァイは舌打ちを1つするとミケの持っていた箱を取り上げ、ポイとベッドに投げつつ自分が持ってきた箱を手渡す。受け取り丁寧に箱を開けていくミケの横に座ると、彼女は1本口に咥えリヴァイの方へ向いた。

「ん」
「あ?」
「んーん」

何がしたいのやらと考えていると咥えたポッキーを指差した。くれるってことか?斬新なやり方だなと思いつつ先端を齧る、ポキッ。だがミケは顔を顰め片頬を膨らますと先端だけがなくなったポッキーを全て食べた。

「…違う」
「何がだ」
「ゲームなのに」
「説明も無しに理解出来るわけねぇだろ」
「ポッキーゲーム」
「知らねぇ」

ポッキーの両端を口に咥えて食べ進めるやつなんだけどミケ知らなかった?『やべぇ!!このままチューしちゃう!?チューしちゃう!!?』っていうギリギリの空気を楽しむ極めてかつ危険なゲームなんだよ!
まぁ明確なルールはないけど、先に口を離したり顔を逸らした方が負けになる場合が多いみたいだからどう?リヴァイとやってみたら?

「らしい」
「ほう」
「さっきのはお前の負け」
「ふざけんな」
「ん」

再びミケがポッキーを咥える。つまり食い終わるまで離さなければいいと。なら簡単な話だ。端を咥えリヴァイはポキポキと食べ進めていった。ポキポキとミケも食べ進める。あれ?そういえばギリギリとはいってもどこまでがギリギリなんだ?ハンジに聞くの忘れた。それよりもリヴァイがどんどん近くなって、

ちゅ

「!」
「お前の負けだな」
「キ、キスするわけじゃない」
「何慌ててんだ」
「うるさい」
「離しただろ」
「う…」

ポキポキポキポキ

こ、こういうことを平然とやってのけるリヴァイはよく分からない。ミケは少し高鳴った気持ちを抑えるようにポッキーを1本また1本と食べていく。美味しい。別に俺だってキスがしたくないわけじゃない…したいわけでもないがこれはゲームであって、その。

いや、その前に負けた事が悔しい。ほら今だって余裕の表情、に見える顔をしていると思う。1回でもいいからこの三白眼で仏頂面の驚く顔が見たい。ポッキーを咥えてこちらを見てくるリヴァイを睨んだ。戦い続ける限り負けはない。

「ん」
「…」
「んん」
「…」
「ん!」
「…」
「ちょ、」

お互いに食べ進め唇が当たるギリギリの距離でリヴァイはミケを押し倒した。そのまま口内を舌で犯される。絡み合う舌が妙に甘ったるい。

「はっ、ぁ…リヴァイ…!」
「離したお前の負けだろ」
「そうじゃなくて」
「そんな格好でこんなゲームしやがって誘ってんのか?」
「誘ってない」
「責任取れよ」

横になったまま口元まで差し出されたポッキーを食べる。餌付けみたいだな。チョコの香りがふわりと漂った。あと1本食べさせてくれそうには…ない。ミケは甘い香りが満ちたベッドの上で目を閉じた。

恋人と食べても美味しい。



終わったらまた食べる
あぁ、楽しみにとっとけ

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