「遅刻…!やべぇ殺された…!!」

物凄い速さで通学路を走っているのは男子高校生のエレン・イェーガー。いつもなら多少の遅刻等なんのそのの彼が血相変えて走っている理由。それは先輩のリヴァイから掃除を任されたからである。
ホームルームが始まるまでにやっておけ。
それが5分寝過ごしただけで呆気なく殺される事が決定してしまった。

「…あ、でも意味ねぇよな」

そうだ。そもそも既に1限目は始まっている時間、どう走った所で間に合わない。それならと急に速度を落としたエレンだったが、

「きゃっ!」
「おわっ!?」

運悪く曲がり角でぶつかる。
こちらは無事だったが相手の女の子は滑ってしまったらしく尻餅をついていた。

「いたた…!」
「わ、悪い!大丈夫か?」
「こっちこそごめんなさい…」

慌てて手を差し出す。
見たところ同じ学、!!
その時目がキラッキラに光った。

「名前教えてくれ!」
「いきなり!?」
「いいから!」
「わ、わかりました…!レイ・ローゼンハイムで、す」

レイ…レイ…!!
名を繰り返し呟くエレン。
その視線は何故か一点に集中。

「ついに来た…運命だろ…!」
「来た?運命…?あ、あの…?大丈夫…、!?」

ガシッとレイの腕を握り締める。
恋をした。

「俺は貧乳が大好きなんだ!」
「…は、い?」
「特にド貧乳が!!」
「なっ…!?」
「男=全員巨乳好きじゃねぇぞ!」

目が合ってない。現在進行形でレイのまな板胸をガンとして見つめている。彼女が怒りでわなわな震えている事も知らずに。

「俺と「こんの…!」付き合って「ド変態野郎ォォォ!!!」

横っ面を思いっ切り引っぱたかれた。
エレン・イェーガー学校到着前に死亡。
けれどこれがキッカケで2人は、

No.9 運命の人

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