家に帰ると浴室からシャワーの音が聞こえてきた。家、そう呼べるのか…そう呼ぶしかない。ブレザーのポケットが振動する。足早に部屋へと向かい携帯を取り出すとエレンからの着信。手から落ちた鞄も構わずに画面をスライドした。

「…もしもし」
『あー単刀直入なんだけどさ』

会いたい。声を聞いたら余計に。
学校だけじゃ足りない。

『今日泊まり来ねぇか?』
「え?」
『親が仕事で帰ってこないみたいで』
「…泊まり…でも…」

この家の誰かに言わなくちゃいけない。だからといって言わないまま行けば何があるか分からない。言ったところで何があるかも分からないが…それでも会いたかった。

「大丈夫、行けるよ」
『いつ来る?こっちは今からでも、』
「行く。だから駅まで来てもらっていい?」

了承を聞いて電話を切った。
エレンに会える。長い時間一緒にいれる。
レイが落ちた鞄を肩に掛け直して部屋を出ると首からタオルを掛けたリヴァイがカウンターキッチンにいた。

「あの…今日、友達の家泊まりに行っても…いい…?」

無言で近付いてきた彼はへぇ?と探る視線を投げてくる。この後何が起こってもいい。
(会えるのなら何をされてもいい、すら思ってしまった私の思考)

「…行くって決めたの」
「強気だな、まぁ好きにしろ」

行ってきます。逃げる様にして家を後にした従姉妹を見送ると誰かへ電話を掛けた。

『今運転中だ』
「レイが男の家に泊まりだと」
『いいんじゃないか?』

たまには『息抜き』も必要だろうから。


*


一緒に入ったら色々と大変だ。
大真面目な顔で言ってきたエレンに笑ってしまった。タオルと…着替えも貸してもらい風呂に入る。レディーファーストらしく譲ってもらったがどうにも申し訳なくて先に入ってもらった。部屋に戻るとベッドの上で雑誌を読んでいる。そのなんて事無い姿。

…甘えてもいいんだよ、ね?
隣に寝転がった。
パタンと閉じてこっちを向いてくれる。
こうなった状況で互いが望む事は、1つ。
恥ずかしいのに、あたたかくて。

「……したい」
「…うん」
「いや…レイにさ、舐めてもらいた、い」

舐める。舐める、つまり…フェラ?
頷きで返される。

「…いいよ?上手く出来るか不安だけど…」

壁を背にして座っているエレンが自身の熱く大きくなったモノを取り出す。レイは緩く手を添えた。足の間。顔をそれに近付け先端を口に含む。風呂上りだからか生々しい味もにおいもしない。硬いのに柔らかい。

「ん、ぅ」
「もう少し…奥咥えられるか…?」
「うぁ、んむ…」
「っあー…それ、ありがとな…」

頭を優しく撫でると上目遣いに嬉しそうな顔。そういうのも快感として十分な威力があった。ぎこちない動きなのに一生懸命に下から上、上から下へと口を動かし刺激をくれるのが自分で抜くより何倍も気持ちいい。でもアレだ、彼女からの初フェラなだけあってもうイきそうな俺がいる。

「はぁ…は…っ出そ…離していい…」
「ぅ、ん…」
「あ…?待てって、レイ、口離せ…、っ!」

頭の中がパチパチと弾け、震え、ドクドクと精液が放たれる感覚。
やべぇ…間に合わずにもしかしなくても今、口へと欲を吐き出してしまった。

「んくっ…ぅ…っはぁ…」
「ちょ、おい!」

と思ったら飲み込んだ。
苦くてドロドロしてる。難しい顔で笑うレイを抱き締めた。

「…ごめんな?やってもらう前にちゃんと言ってれば…」
「いいの、エレンだから」
「……実はすげぇ嬉しかった」
「ふふっ」

まだ終わりじゃない。
時間は沢山ある。
服を脱がせる。なめらかに滑る肌。
またすぐにでも勃ちそうで。

「次はレイが気持ちよくなる番」


*


「ふ、あぁ…っん、あ…っ!」
「すごい濡れてて甘ぇ」

ぴちゃぴちゃと音が漏れ舌が剥き出しの秘部に当たる度、快感が電流みたく駆け巡った。秘部の1つ1つの細かい部分が敏感になっていてキュッと中が締まっては求めてる。

「これだけ濡れてたら…レイ…」
「っん…?な…に…?」
「バックでしたい…」

俺達それやるの初めてだろ?
その言葉が…あの日の無理矢理なセックスを思い出させる。うん、それしか言えない自分が情けなくて仕方なかった。火照る身体を後ろ向きに四つん這いになる。
一声掛けられエレンのモノが入ってくればやっぱり満たされた。

「ごめ、ん…なさい…」
「どうした?」
「!ぁ、違うの…っ独り言…、エレン…?」

いっぱい気持ちよくしてね…?

「ぅあっ、ぁ…んっ…!」

急に始まる律動。
ぱちゅ、ぐちゅ、ぱんっ、腰を掴まれ一心不乱に打ち付けられる。べったりと快感が絡み付いて離れない。気持ちいい。

「エレン…っもっと…ちょうだい…」
「ん…っ、ならレイのここ」
「や…っ!?ぁんっ、あぁ…っ!」

両側から入り込んできた手に胸を揉まれる。そのまま乳首をくにくにと摘まれればゾクゾクと打ち寄せる気持ち良さ。

「っ一気に締まったぞ…こんなに硬くなってエロい…」
「あぁ…ぁ、あっ!ゃ、だ、って…」

恥じらう姿が可愛いのと悪戯心が芽生え律動はしたままわざと乳首への愛撫を止めた。

「…やぁ…!…止めたら、いや…っ」
「じゃあ…っどこ…いじめて欲しいんだよ…?」
「んぁっ、ぁ、ち、くび…っ、あぁっ…!」
「っほら、ちゃんと言えたご褒美…」

また乳首を弄ってやれば可愛い反応。本当に反則だと思う。

あぁ…また…イきそうだ。
ハイになるとはまさにコレか。
レイが好き過ぎてどうしようもない。
奥に突き刺した。
その瞬間ギュッと自身が締め付けられる。

「っ!っあ…」
「あぁ…っ!はぁ…っきもちい…、」

大きく深呼吸しながら寄り掛かる。若さ故なのか眠気も萎える気もしない。なぁ今日くらい、明日休みだし朝までヤってみるってのは?ゆっくり引き抜いた後に仰向けでレイを寝かす。

「ん…たくさんエッチする…」
「っだからな?そういうのが反則」

ちゅ、と唇に愛情あるキス。
お願いします神様。
せめて今だけでも、私に幸せを。

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